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「ココイチ」の壱番屋が、世界一のカレーチェーンに成長できた理由

ビジネス

日本で唯一の巨大カレーチェーンは本当か?

 また、ココイチは「日本で唯一の巨大カレーチェーン」と言われていますが、根拠が明確な数字とともに示した記事が意外とないので、店舗数について主だったカレーチェーンと比較してみます。

 ココイチ以外については、下記のラインナップです。

・ゴーゴーカレー
・日乃屋カレー
・上等カレー
・もうやんカレー
・ターリー屋

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2019年、国内主要カレーチェーン店の出店数

チェーン店名:国内、海外、合計(店舗数)
CoCo壱番屋:1267、182、計1449
ゴーゴーカレー:69、11、計80
日乃屋カレー:61、2、計63
上等カレー:49、0、計49
もうやんカレー:12、0、計12
ターリー屋:30、0、計30

※決算資料、店舗検索、店舗一覧より確認(2019/12/14時点、筆者調べ)
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 このようにしてみると、ココイチが国内でも世界でも圧倒的であることが一目瞭然です。事実、ココイチは2013年に「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」としてギネス記録にも認定されています。

 また、日本フランチャイズチェーン協会が公開している「フランチャイズチェーン統計調査」によると、「カレー・牛丼・各種丼物」のチェーン数は19、店舗数は4488店舗(いずれも2018年実績)でした。これらの数値は吉野家などの牛丼チェーンも含めた値なので、ココイチの「国内1267店舗・海外182店舗」がどれだけ圧倒的かわかるかと思います。

ココイチが圧倒的に浸透している理由

カレー

※画像はイメージです(以下同じ)

 ココイチが圧倒的に浸透している理由としては色々ありますが、最も大きいのは「『普通の日本のカレー』をやりきっている」点が挙げられるでしょう。同社の常務取締役(当時取締役東日本本部長)の宮崎龍夫さんの「ITmediaビジネスオンライン」インタビュー記事を引用します。

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 創業者の宗次徳二はココイチをオープンする前に、有名なカレー店を食べて回りました。有名なカレー店ばかりなので、どこも“おいしい”と感じたそうです。でも、2日続けて食べたいなあと思わなかったそうです。その理由を聞いたところ「高級ステーキみたいなもんだよ」と言っていました。どういう意味か。高級ステーキは確かにおいしい。でも、たまに食べるからおいしいのであって、毎日食べていたら飽きてしまう。

 創業者はココイチでどういった味を目指したのか。家庭の味であれば毎日食べても飽きない……しかし、家庭の味のカレーを提供しても、お客さんは喜びません。なぜなら、家庭でつくれるのであれば、家で食べますよね。なので、毎日食べたくなるようで、かつココイチでしか味わうことができない味を目指しました。

※「水曜インタビュー劇場(カレー公演):後編」(2015年11月11日)より引用
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 確かにココイチのカレーは「とりたてて美味しいわけではないが、食べると安心する味」だと思います。事実、筆者も最低2週間に1回は近所の店舗や宅配でココイチのカレーを食べて暮らしています。具の種類を変えたり、ご飯の盛りを絶妙に変えたりできるのがいいですよね。

 ただ、この「普通、安心できる」というのは、男女や人間関係でも何でもそうですが、「正しい努力」と「日々の誠実なオペレーション」の積み重ねの上に成り立っているものです。身も蓋もない例えをすると「年収500万円以上の普通の男」のような、非常に高度な技の結晶でもあります。

 そう考えると、明日からココイチのカレーの見え方が変わってきませんか。

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