「二次会は2人きりで…」セクハラ上司に隠れ家バーで狙われた下戸OLの悪夢
無理やりタクシーに乗せられ…
上司が妻帯者と知ったタイミングで、家電メーカーのスポンサーをねぎらうための忘年会が開催されたそうです。
「メーカー広報の女性は、飲み会慣れしているようで、さりげなく料理のとりわけも行い、周りの男性たちのスポーツや深夜番組の話題にも相づちを打ち、うちの上司と盛り上がっていました。正直私はあまり興味がない話題だったため、愛想笑いでその場をやり過ごしていましたね」
あくまで仕事の一環だから「仕方なく参加した」飲み会がようやく終わり、ほっとしたという今日子さん。しかし悪夢はここからでした。
「会がお開きになったあと、上司から『打ち上げをしよう』としつこく誘われたんです。『お酒が飲めないので……』と断っているものの、『大丈夫、一杯だけ。こんな機会はなかなかないから』と言い、半ば強引にタクシーに乗せられました」
拒絶を続けると、態度が急変
ほどなくして、タクシーは外苑前の方にある隠れ家風バーに。タクシーで行ったため、店の場所も店名もよくわからなかったといいます。
「店内に着くと『予約してある〇〇です』と無駄に段取りがちゃんとしていました。カウンター席に並んで座ったんですが、当然ながら距離が近くて嫌でしたね」
明らかに口説くモードに入ってしまった上司。今日子さんは「どうやって逃げよう」ということで頭がいっぱいだったそうです。
「『飲めない』というのに、『一杯だけ』と言って、甘いカクテルを薦められました。私のグラスの中身が減るにつれ『お前のあの文章、すごくうまいなって思ったよ』、『たくさん面接に来たけれど、俺はすぐお前だって決めていた』と猛烈な褒め殺し攻撃が。下心丸出しで心底気落ち悪かったです」
埒が明かないと思った今日子さんが勇気を出して「帰りたい」と訴えると、おもむろに態度が急変したそうです。
「もっとお酌しろ、気を使え」
「直前まで歯が浮くような言葉で私を褒めていたのに一転して『さっきの忘年会は失礼だった』『もっとお酌しろ、気を使え』『こっちはもてなす側だ、ピエロになれ。ピエロ』などと猛烈な勢いで攻撃してきたんです」
終電がなくなる時間まで拘束されていたため、止むを得ずタクシーで帰ることに。しかしまだワンチャンあると思ったのか、先ほどまで毒を吐いていた上司も同乗し、家の近所までついてこられたとか。最後の力を振り絞り、なんとか逃げ帰ったものの、頭を撫でられるというお土産をもらい、普段飲まないお酒も相まって、非常に気分が悪くなったそうです……。
現在もまだ同じ職場で同じ上司の下で働く今日子さん。悲劇を繰り返さないために、今年の忘年会をどうにか欠席する理由を考えているそうです。
― 特集・忘年会にまつわるエトセトラ ―
<TEXT/池守りぜね イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>