旅行先をネットではなく、店舗で探すメリットとは?HISに聞く
店舗に足を運ぶメリット
――そもそも直接店舗に足を運ぶメリットってなんでしょうか。
門田:ふわっとした相談ができることですかね。「今ってどこ行けばいいと思う?」とか、「ハワイと沖縄ってどっちがいいの?」など聞かれるお客様もいらっしゃいます。旅行が大好きなスタッフが、経験や知識の中からお客様の希望にあったご提案をできると思います。
あと、お客様の「不安」が解消されやすいのも店舗の魅力ですね。旅先の情報提供はもちろんのこと、学生で予算が少ないお客様には、「出世払い」というサービスがあることをお伝えしたり。また、電車の遅延や、ご病気で旅行に行けなくなってしまった際のキャンセル料を免除できる「キャンセルサポート」というサービスをお伝えすると、安心されるお客様が多いです。
日本人は海外旅行に行かない?
――確かに、ネットで安心を得るのは難しそうです。オンライン予約でのトラブルを聞いたりしますか。
門田:例えば、ニューヨークには空港が3つあるんです。それを知らずに、自分の目的地から遠いところに到着してしまったりとか。オンラインはお一人でご予約を完結できる分、勘違いが生まれてしまうことがあるかもしれません。やはり店舗の強みは、プロのアドバイスを聞けるところだと思います。
――なるほど。しかし最近はテレビCMなどを見ていても、オンライン予約サイトが活発な印象を受けます。これからは「店舗」という旅行会社の形式はどうなっていくのでしょうか。
門田:実は日本人は、海外と比べてあまり海外旅行に行かないんです。日本の出国率は15%で、隣国の韓国は50%を超えています。まだまだ日本は挑戦できる市場だと思っています。
特に今、10代から20代の女性の出国率が伸びています。若い年齢の方にもっと海外旅行に親しんでもらえれば、将来的にもっと出国率を上げていけます。
海外旅行のことがよくわからない方はたくさんいらっしゃいます。日本人でパスポートを取得している方は4分の1程度で、地方だと10%を切るところもあります。
店舗を残し続ける理由
――日本がそんなに海外旅行に消極的だとは、驚きました。
門田:そこで店舗の良さが活きてくると思うんですね。パスポートの申請方法のような初歩的なところから、丁寧にお伝えできます。海外旅行は、単価が平均15万円ほどかかる買い物です。高い買い物なので、そこには必ず「信頼」や「安心」が関わってきます。
例えば、ハネムーンのご旅行をオンラインでご予約するのは少しためらいがあるのではないでしょうか。人に聞きたい、経験者に聞きたいというニーズはなくならないはずです。日本の海外旅行マーケットを作っていくという役割を、店舗はまだまだ担っていると思います。