トレンドはハシゴ酒?渋谷のナイトシーンを考える<WHITE NIGHT GROOVE>
「夜のミラクル」といっても過言ではない
また、芝浦GOLD時代に佐藤氏と仕事をともにした臼杵氏は、
「普段会えないような人でも芝浦GOLDに行けば、普通に会って交流できるのは印象的だった。ファッションメゾンのプレスやデザイナーなど、女性の憧れの存在である人と一緒にお酒が飲める環境は、まさに『夜のミラクル』といっても過言ではないのかもしれない。立場や仕事が異なっても遊び場を共有できるのが、クラブの良いところだと思う」
と述べた。また、長年、ナイトカルチャーに関わってきた視点から、未来のクラブカルチャーについても、こう展望を述べた。
「もっとナイトシーンでの女性活躍ができるような土壌を作っていきたい。DJやバーテンダー、クラブオーナーなど男性中心でジェンダーギャップがあるので、もっと女性がクラブオーナーになったり、DJにチャレンジしたりできるようなナイトカルチャーを作れたらと思う」
一方、佐藤氏は「今の渋谷には、コミュニティとしての機能があまり感じられない」と苦言を呈し、その日のセッションをまとめた。
「新宿や六本木、渋谷など一時期はディスコやクラブを中心にコミュニティが存在していた。ナイトシーンでのコミュニティが育っていけば、街づくりがもっと進む。街に対する愛情を持ち、面白いと思ったことはどんどんやるべきだと思う」
今のナイトシーンはハシゴ酒がトレンド?
同日に開催された「東京・渋谷の夜を遊び続ける」と題したトークセッションでは、モデレーターに編集やデザイン、ラジオパーソナリティーなどマルチな活動を展開する野村訓市氏、グラフィックアーティストのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)氏、渋谷SOUND MUSEUM VISIONやContactなどのクラブを手がける株式会社グローバル・ハーツ取締役の人見太志氏が登壇。
今のナイトライフのリアルを語る場となった。そこで話題になったのが、渋谷に最近増えてきているDJバーを中心とする小箱をハシゴする遊び方だ。
「渋谷では、夜の遊びを通して人生のスキル(技能)を学びました。今も渋谷で遊ぶことが多いですが、大小問わず様々なクラブやバーなど遊び場が点在するので、1軒ならず色々なお店へ友人たちとハシゴしながら楽しんでいます」(野村氏)