原辰徳監督の「FA人的補償」撤廃案。過去には19歳で放出された選手も…
移籍後、前年より活躍するケースも
巨人ではプロテクト外となったとはいえ、補償として他球団に移り活躍した例もある。先ほどの一岡竜司は広島移籍後、カープ投手陣で貴重なリリーフとして登板数を増やし、カープの3連覇に大きく貢献した。
工藤公康も初年度には44歳で7勝を挙げた。藤井秀悟も同じく先発として7勝を記録している。2014年、西武へ移った脇谷亮太は、2年間で200試合以上に出場し、FA資格を取得すると権利行使により2016年に巨人へ復帰を果たした。
また、2006年の小田幸平は中日移籍以降、出場機会は多くはないもののベテラン捕手として、現役引退まで長きにわたってドラゴンズを支えた。
長野と内海は移籍1年目となった今季、成績の上では前年を下回ったものの、その存在感や影響力は大きく、今後も大きな期待が寄せられている。
期待通りの活躍を見せられないことも
逆にFAで巨人へ加入した選手でも期待された活躍が見られなかった場合も少なくない。大竹寛は広島時代同様、先発としての期待が大きかったものの年々登板機会が減り、今季はリリーフへ転向した。
また、西武より加入した野上亮磨(補償対象は高木勇人)も2年間で5勝と、かつてのパフォーマンスを取り戻せずにいる。
2019年、最多勝に輝いた山口俊も、加入1年目の2017年は怪我で開幕に出遅れるなど、わずか1勝に止まっている。
FA加入は実績を積んだ選手を獲得できるとはいえ、プロでの一定の年数を経て、環境を大きく変えることとなる。巨人に限らず、必ずしもそれまで通りの働きがみられないというリスクとも隣り合わせなのだ。