東京ディズニーランド、夢の国が「パワハラ訴訟」を抱える複雑な内情
株価はきれいに上昇傾向
オリエンタルランド社の株価の推移も見てみます。Google検索で「会社名 株価」と検索すると、検索トップで株価チャートが表示されるので、それを活用します。
株価は長期で見た方が投資家や市場の期待が読み取りやすいので「最大」で見てみます。そうすると、直近の多少の値動きはあるものの、長期スパンでは株価は伸びており、しっかり市場の期待に応えていることが読み取れます。
なお、単元株(100株)から株主優待が受けられ、その内容が「ディズニーランドまたはシーで利用できるワンデーパスポート」なので、本業と関係した内容で還元している理想的な株主優待であると言えます。
ほぼ借金がなく、設備投資に積極的
引き続き、会社単体の業績も確認します。直近の決算資料が公開されていたので、そちらを確認します。一括ダウンロードリンクがあったり、説明資料がグラフィカルだったりと、わかりやすい作りです。
2020年3月期(今期)は前年度と比べて連結売上高・営業利益率は下回るものの、一定の水準を維持しています。業界1位の貫禄です。決算短信のうち、賃借対照表も合わせて確認します。
直近の決算短信が2019年9月末までの第2期と、前期末(2019年3月末)との比較なので、半年前との状況の比較になる点に注意してください。
まず資産の部を確認します。流動資産のうち、「現金及び預金」の額が最も多い点に注目です。キャッシュが潤沢ということは財務的安定を示すひとつの指標となります。
なお「流動資産」―「流動負債」の額もプラスになっている(2019年9月の値で比較。402,015百万円―131,646百万円=270,369百万円のプラス。つまり、2703億6900万円のプラス)ので、この点でも堅実な経営であると考えられます。
固定資産については、「建物及び構築物」「建設仮勘定」の金額が伸びていることに注目します。これは、近年の東京ディズニーランドのアトラクション改修・増築の影響です。2019年7月に新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」がオープンし、2020年4月にも新アトラクションのオープンが控えています。したがって、ほとんど借金がなく、現金比率も高い財務状況を実現した上でなお、積極的な設備投資を行えているという、経営においては理想的な状況が読み取れます。