松尾スズキ、監督・主演・脚本のR18映画「お行儀の悪い大人たちを見て」
ムダ打ちはしたくないとすごく思う
――50代という年齢になって、仕事へのスタンスに変化はありますか?
松尾:ムダ打ちはしたくないとすごく思います。昔は働くことが趣味みたいな感じでやっていましたが、今は自分が本当に面白いと思えることじゃないとやりたくない。
――それはやりたいことが、よりはっきり見えるようになったからでもある?
松尾:そうですね。昔は「大人計画」という劇団を宣伝するためにモノを書いていたみたいなところもありますから。とにかく、「大人計画」と「松尾スズキ」という言葉が世に出るようにという使命感でやってました。
命がけで暇をつぶせるものと出合え
――20代の頃は、映画監督をするとは思っていなかったとのことですが、結果として映画作品もいくつも手掛けています。松尾さんにとって映画とはどんな存在ですか?
松尾:最高の暇つぶしじゃないですか。時間もコンパクトだし、そんなに高くないし。休みで時間があると思ったら、映画を観に行こうかなと思いますから。
――その暇つぶしのために、みなさん全精力を傾けて作品を作られているのですね。
松尾:作るほうは、命がけで暇をつぶせってことですよ。まあ、それが生きるってことですけど。暇ってときに人を殺しますから。だから命がけで暇をつぶせるものと出会えればいいですよね。