資金ゼロ・才能ナシでもできる「地味な起業」とは?
「今いる会社で働き続けるか、転職して他の会社に行くか?」「どんなキャリアが自分に合っているのか?」「このまま、会社にいるしかないのか?」
今、そんな悩みや焦りを感じている人たちに、特に「やりたいこと」や「まとまったお金」「明確なビジョン」がなくても、経済的に自立できる働き方「地味な起業」を提案するのが、『僕たちは、地味な起業で食っていく。』の著者・田中祐一さんです。
「地味な起業」塾を主催するする田中さんは、人脈、才能、ビジネスモデルを必要とする「派手な起業」ではなく、Excelでの数値管理や資料作成、イベント運営といった「地味な起業」で生計を立てた経験の持ち主です。
ここでは田中さんが「地味な起業」について解説していきます(以下、田中氏の寄稿)。
「地味な起業」に事業計画は不要
「地味な起業」とは、「転職」あるいは「すごい起業」のように、「目立ったスキル」や「ビジョン」「ビジネスモデル」が全部なくてもできる起業です。
一言でいえば、「資料づくり、スケジューリング、打ち合わせ、プレゼン」といった、会社員が誰でも普段やっている「地味なスキル」で経済的に自立する、世界一リスクの低い、超・安パイな働き方なのです。
地味な起業を始めるにあたって、事業計画は不要です。
事業計画というのは、事業の目的や数値目標、戦略や戦術を具体的に表したもの。1~5年くらいのスパンでの行動計画を「事業計画書」のかたちで明確にしておくのが一般的です。
Tシャツ短パンで冬山登山に行く人になる
起業では、事業計画のあるなしが大きな問題となります。起業セミナーに参加すると、ほぼ100%、「事業計画書を作りましょう」と言われます。「事業計画書作成セミナー」なども頻繁に開催されています。
事業計画なしに起業を始めるなんて、無謀の極みみたいなイメージでとらえられています。まるで、Tシャツ短パンで冬山登山に行く人のような目で見られます。
たしかに、事業計画は大事です。でも、事業計画というのは、本来は資金調達のために求められるものです。工場や店舗を作ったり、拡張したりするときに、融資先から「これならお金を貸してもいい」と認めてもらうためには絶対的に必要です。
誰だって、計画らしい計画も立てずに「カフェを始めたいんでお金貸してください」などといっている人に、お金を貸すはずがありません。そういう人が、Tシャツ短パンで冬山登山に行く人といわれるのも納得です。