辛口な社員の声は…

　歴史ある大企業までもがこれまでの慣習を見直して推進している働き方改革。実際にNECで働いている人たちはどのように思っているのだろうか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」に寄せらせた口コミから紹介したい。

　少々辛口な口コミが多く、今回の働き方改革に関連する内容のものもある。

「定期的に中期計画として、社外発表を繰り返しているものの、実際には具体性がなく、既存事業の中でブルーオーシャンの領域へ絞り混みをかけているように思われる。ここ10年以上に渡り、分社と売却、縮小を繰り返しており、事業部における開発費の削減や子会社への異動等で現場の士気は下がる一方に感じる」（技術関連職／40代前半女性／正社員／年収680万円／新卒入社／10年以上／投稿時に在職／2018年度に関する口コミ）

「スーパーフレックス」制度の導入や「ドレスコードフリー」の推進も「2020中期経営計画」で掲げられたものになる。今回の発表が上からのお達しで終わってしまわずに、実行されていくのかの判断は少し時間を置いたほうがよいのかもしれない。

自由化が進むも、職務のやりがいには疑問符が

　また大企業ゆえの問題も抱えていることがうかがえる口コミも紹介したい。

「社会インフラの一端を担っているという実感はあり、また社内の多くの部署を巻き込んで仕事を進めて行くのは面白みもあり、やり甲斐もある。ただし、大きなプロジェクトになればなるほど、歯車の一部と感じることもあるので、自分なりに考えて仕事を進めないと作業者になってしまう」（代理店営業／30代前半男性／正社員／年収800万円／新卒入社／10年以上／投稿時に在職／2018年度に関する口コミ）

　歴史ある大企業故の弊害というべきか、仕事にやりがいを感じられなくなってしまうこともあるようだ。

　また仕事のやりがいだけでなく、キャリアにも関わってくる問題もあるようだ。プロジェクトリーダーを務める30代後半女性の口コミを紹介したい。

「基本的に上が詰まっているので、三十代以下は主任より上には非常になりにくい。上の世代が、能力に関わらず大量に管理職に上がってしまっているため、下の世代が割を食っている。能力があっても基本的に上に上がれないので、転職したほうがよい」（プロジェクトリーダー／30代後半女性／正社員／年収760万円／新卒入社／3年～10年未満／投稿時に在職／2019年度に関する口コミ）

　就業時間や服装の自由化を進めるNEC。その自由は浸透するのか、またそれと同時に実際の職務のやりがいについても考えたい。

＜TEXT／菅谷圭祐　データ／キャリコネ（運営：グローバルウェイ）＞