業績好調のサイゼリヤだが、同業界で比較すると意外な事実が…
勝者・弱者が目まぐるしく変化する飲食業界。
その時々によって流行りのメニューや業態が存在するため、飲食チェーン運営会社は、なるべく固定費(土地代、建物設備の減価償却費、リース代など)をかけずに、より集客力の高い業態へと移行していく必要があります。
つまり、その時々の波に乗って、収益性の高い話題の業態へ変化します。例えば、松屋フーズは、過去に牛丼店の松屋の一部店舗をとんかつを扱う「松乃屋」「松のや」、あるいはステーキを扱う「ステーキ屋松」、寿司を扱う「すし松」へと業態展開し、拡大を図りました。
生き残りをかけて戦うファミレス業界
このような本来は変化が目まぐるしい飲食業界の中で、新業態の脅威に常にさらされながらも生き残っているのがファミリーレストラン(以降、ファミレス)業界です。ライバル業態の出現や、材料費の高騰など、プラス材料が出てこないファミレス業界ですが、各社がどのような事業運営を行っているのか見ていきます。
今回は、公開情報で業績が確認できるロイヤルホスト、ガスト、ジョナサン、サイゼリヤの4つのファミリーレストランで説明します。
まずは、各社の売上高の傾向を確認すると、直近4年間でロイヤルホスト、ガスト、ジョナサンはほとんど売上規模が変化していません。現状維持の状態が数年間続いていることがわかります。一方、サイゼリヤの売上高は年平均成長率14%で成長傾向にあります。