アラサー婚活女子が「ブラック企業コン」に挑戦。いい男と出会えるか…
謎の緑色ウェルカムドリンクの正体は
血管年齢を測定した後は、謎の緑の飲み物を差し出された。藻類や植物に含まれる色素である「クロロフィル」を水に溶かしたものだという。モデルのミランダ・カーが愛飲していることで知られている。
この飲み物を飲んで苦みを感じたり、不味いと思ったりしたら、体が老化している証拠だそうだ(真偽はわからないが)。筆者は口に含んだ瞬間から独特の苦みを感じ、とてもではないが飲み干せないほどだった。どうやら随分と体が老化しているようだ。
これを美味しく飲めたか、不味いと感じたかでテーブル分けが行われた(1テーブル男女4、5人)。着席すると、さっそく目の前の男性と「苦かったですよね」と話が弾んだ。男性は30代でIT系の仕事をしているという。爽やかな体育会系男子といった風貌で、女性にもモテそうだ。しかし「もう3年も彼女がいない」と言い、焦っているようだった。
「忙しい時は、終電近くまで働く日が続きます。デートどころではありません。でも僕は地方出身なので、地元の友だちの多くはもう結婚しています」
終電近くまで働いていたら、平日のデートはとてもできない。それだけ忙しければ、休日に出かけるのも億劫になりそうだ。3年近く彼女がいないのも頷ける。
「お客に胸ぐらをつかまれる」20代男の悩み
その隣は、色白で穏やかそうな男性(20代)だった。筆者のタイプだったが、「出会いがあっても付き合える状態ではない」と話していた。
「食品メーカーでクレーム処理を担当しています。できるだけ早く、しかもお客様の元に出向いて直接返金したり、商品を交換したりするのが当社の方針。夜遅くにクレームの電話が掛かってきて、そのまま地方にいるお客様の元へ向かうことも。土曜日に電話が掛かってくれば、日曜日が潰れてしまうことも珍しくありません。お客様に胸ぐらをつかまれることもあり、正直疲れます」
急に残業や休日出勤が入ってしまうクレーム処理。これではデートの予定を立てることもままならない。筆者もこの男性のことは泣く泣く諦めることにした。
お互いの職場環境に共感し合えた夜だった
パーティは、男性の参加者が時計回りにテーブルを移動する形で進んだ。同じグループの女性たちとは、ずっと同じテーブルに座っていたため、話も盛り上がった。今年30歳になるという明るい女性は、「このパーティで出会った人なら予定を合わせやすいのでは」と期待を滲ませた。
「定時で仕事が終わる人とご飯に行こうとしたとき、相手は19時には始められるのに、私の仕事が終わらないから21時にしてもらうということがありました。これだと相手に悪くて……。でもお互いに忙しければ、予定を合わせやすいんじゃないかと思います」
また、彼女は「仕事が忙しい者同士、理解しあえるんじゃないか」とも話していた。ブラック企業に勤めるツラさは、ホワイト企業の人には分からないもの。このパーティに参加した人同士なら、上司のパワハラや仕事の多さ、残業の長さについて共感し合えるに違いない。