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出会い系アプリで美女と知り合ったら…自宅に呼ばれて顔面蒼白した話

コラム

「ここまではマッチングアプリを使ったごく普通の出会いでした。しかし、彼女はとんでもないヤツだったんです」

 そう言って、当時を思い出しつつ、松本さんは自嘲気味に語る。一体、何があったのだろうか? 詳しく話を聞いてみよう。

美女 スマホ

※画像はイメージです

――マッチングアプリで出会った彼女と、その後どうなったのでしょうか?

松本:ひとまず、2人で彼女のアパートに行きました。当然、私は下心全開です。ただ、アパートが駅からやたら遠くて「ここ、本当に中目黒?」っていう立地。アパートの階段を登るたびにミシミシと音がしたのを覚えてます。

 部屋の扉を開けると、1Kのすみっこには某マルチ企業の社名がプリントされたダンボールが見事に積み上がっていましたね。「このダンボールは何?」って彼女に聞いたら、しどろもどろになっていました。

――なんとも言えない状況ですね。そのあとどうしたんですか?

松本:冷蔵庫の食料品や歯磨き粉といった商品の素晴らしさを熱っぽく語られました。その頃には僕の下心も当然、萎えていて(苦笑)。

 あまりにも気まずくて、お店を出るときに店員からもらったガムを食べようとしたら、なんとここにもそのマルチの会社名が! すべて最初から仕組まれていて、四面楚歌とはこのことかと思いましたよ(笑)。

マルチ業者かどうかを見極める基準は3つ

美女

――用意周到ですね……。

松本:今思うと、食事をしているときにやたら夢の話をしたり、身近な成功者について熱っぽく語っていました。このテの営業は、前にも受けたことがあるのですが、そのときも同様の印象を受けました。

――その日は結局、拒否できましたか?

松本:はい、そのまま帰りました。僕は見込みがないと思われたのか、その後も勧誘はきませんでした。ただ、こちらからの連絡も一切取れなくなりました。今となっては、彼女の名前が本名だったのかどうかもわかりません。

■ ■ ■ ■ ■

 見知らぬ異性と出会えるマッチングアプリだが、一歩間違えれば犯罪やマルチ被害に遭うこともある。松本さんによれば「マルチ業者かどうかを見極める基準は3つ」だという。

マッチングアプリ

松本さんが出会った「マルチ業者」

1.やたらと大勢の人と写っている写真がある

 マッチングアプリのプロフィール写真といえば、本人のみの写真がほとんどだが、何十人もの人との写真をアップしているひとは要注意。

 とりわけ他人の顔にモザイク処理をしないで載せている人は気をつけたほうがいい。常識で考えれば、マッチングアプリに他人の顔を載せるのはご法度なので、業者の可能性が高いのだ。

「◎◎パーティー」「BBQ」「バスケ」が多く、どの撮影場所にも同じスポンサーのロゴマークがあればマルチ業者である可能性が高い。

2.プロフィールに「成功」「頑張る」などが書かれている

 マッチングアプリのプロフィールといえば、趣味、年齢、興味があることなど自分のことを知ってもらい、相手の興味を引く格好の場。

 一見すると、業者に見えにくい人にもひとつの共通点がある。それは「他者からの評価を立証している」点だ。

・周りの人が成功者と呼んでいる人が身近にいる
・成功のために、私は◎◎を頑張る
・◎◎の勉強会後に打ち上げでパーティー

 などが、いい例である。注意したほうがよい。

3.Facebookの友達にマルチ業者がいる

 怪しい人物がマッチングアプリとFacebookを連携している場合は、Facebookの友達を見てみるのが有効。

 1と2の要件を満たしている友達が3人もいればほぼ黒だ。「成功」「◯◯さんが憧れ」などの投稿をしていたり、とにかく大人数の写真を投稿していたりすることが多い。

 以上が3つの見分け方。

 しかし当然ながら、そこに当てはまらないパターンもある。その場合は、相手のプロフィール写真をキャプチャーし、余白を切り抜きGoogleで画像検索を行うとよい。

 マッチングアプリやSNSのプロフィール写真を、登録サービスごとに変えている人はあまりおらず、ひとつの情報が確定できれば、相手の情報が芋づる式に照会できるのだ。

 出会いを求める若い世代を中心にクリーンなものとして浸透しつつあるマッチングアプリ。だからこそ、自らの身を守るためにも最低限の自己防衛の方法を留めておきたい。

<取材・文・撮影/船方 翔馬>

1990年生まれ、ミレニアル世代ライター。ルポルタージュ、ドキュメンタリー好き。Twitterは@Syoma_F

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