「釘」を使って相手を褒める英語表現、知ってる?
プレゼンなどを終えた同僚に「完璧だったね!」と声を掛ける時、みなさんならどうしますか?
You did well! とかIt was great! という表現が思い浮かぶかもしれません。ややカジュアルですが、仲の良い同僚に対してであれば使える表現に、You nailed it! というものがあります。
まっすぐに釘(Nail)が入ったイメージ
【第35回 Nail】
Nailには「爪」の意味がありますが、ここでは「釘」の意味です。この表現の元となるイメージは、トンカチで釘を打つ時、きちんと打てば釘が曲がらずにまっすぐに木材に入っていきます。しかし、少しでも角度を付けてしまうと、釘はまっすぐに入りません。You nailed it.はきれいに、まっすぐに釘が入ったイメージです。
もちろん、主語はYouではなく、三人称や一人称でも大丈夫。How did Susie do with her presentation?「スージーはプレゼンテーションどうだった?」という質問に対して、She nailed it.と答えられます。
また、How do you think the exam went this morning?「今朝の試験、どうだった?」と聞かれたら、I think I nailed it.と答えられます。
ちなみに、Nailの「爪」という意味ですが、マニキュアなどをしてくれる人をNailerと呼んでいるのを目にしたことがりますが、Nailerは釘を打つ人のこと。また、自動で釘を打つ機械などもNailerと呼ぶため、(ネイリスト)Nailistが正しいです。ManicuristやNail technicianという言葉も一般的に使われます。
You nailed it!の意味とは?
You nailed it! には「ばっちり!」「完璧!」の意味があります。それより少し出来が悪いのはNot bad.ですね。Not bad.は直訳すると「悪くない」。個人差はあると思いますが、「悪くない」は「良くもない」ので、試験であれば落第点に近い、と思われるかもしれません。
しかし、実際には100点満点で80点、85点の成績です。このような表現は、文字上の意味だけではなく、声のトーンや顔の表情など、言い方によって伝わり方が大きく左右されます。You nailed it! もそうですが笑顔で喜びの気持ちを込めて言うと、その気持ちが伝わるでしょう。
Nailの釘に似たものに、Pegがあります。日本語で「ペグ」と呼ばれることもあるようですが、木や金属でできた「とめ釘」と呼ばれる物。Nailと似ていますが、慣用表現では違った意味で使われます。
終日の会議などで仕出し弁当が出る場合、和食のオプションもあれば、イタリアンのオプションもある、といういくつかの選択肢がある場合、I have pegged you for Italian.と誰かに言われたら、「あなたがイタリアンにすると思った」という意味です。
また、「Peg + 人 + as + 形容詞」という使い方も。I have pegged him as mean.と言ったら、「彼は意地悪だと思う」の意味です。Asの後には形容詞だけではなく、I have you pegged as a brave person.という風にも言えますね。
NailもPegも慣用的に「釘」以外の意味でも良く使われるので、知っていると便利な表現です。
<TEXT/木内裕也>