俳優・早乙女太一が考える、プロフェッショナル「今の成功に甘んじない人」
自分たちの声の芝居に合わせてアニメが完成した
――舞台のお仕事も声の表現は重要だと思いますが、特に新鮮だと感じた部分はありましたか?
早乙女:めちゃくちゃ楽しかったですよ。リアルではなく、ファンタジーの世界だから自分で炎を出したり、自分自身が炎になったりするのも絶対に体験できないことなので。自分が炎になっているときの怒りの声を想像して、やるのはすごく楽しかったです。
――完成した映像をご覧になっていかがでしたか?
早乙女:今までだと、演出家もいますが、表現するのは自分がメインでした。でも、アニメだと自分の声になった動きや表情を、他の人たちに作ってもらうので、それがどういう風になるのか分かりませんでした。
今回は動いているものに声を入れるのではなく、ビデオコンテ(絵コンテを撮影し繋げた映像)の状態で声を吹き込んだので、芝居寄りというか、その場の空気でやることができたんです。
常に松山(ケンイチ)さんと一緒でしたし、声に合わせて体の動きや表情を作ってもらったので、完成品を見たとき、本当に感動しました。ビデオコンテとは変化もあって、それは僕たちの芝居を受けて作ってくれたのだと思うし、ちゃんとマッチしていたので嬉しかったです。
継続はするけど持続はしたくない
――早乙女さんは、長く芸能のお仕事をされてきています。こういう人がプロフェッショナルだと感じる人は?
早乙女:一概にこれというのは難しいですが、共通しているのは、今の成功に甘んじない人ですかね。常に次を、上を見ている。そういうことが、僕が思うプロフェッショナルで居続ける人のスゴさだと思います。
――早乙女さん自身も、常に次に向かってというのを意識していますか?
早乙女:僕は基本的に怠け者なんです。あまり働きたくないし、意欲的でもないし。どちらかというと休みたいと思いがちで(笑)。