入社直後にまさかの出向。出世を諦めた20代に、想定外のラッキーが…
親会社の社員は、高給・好待遇なのを知らない?
同僚や上司に恵まれ、働きやすい環境だったことも大きいですが、同じく決め手となったのは給与面。実は、社員たちは親会社より基本給もボーナスも多くもらっていました。
「業績が反映されて、親会社の社員の平均年収を上回っていたことを知っていたからです。実際、転籍1年目の年収は530万円で、親会社の条件で支払われていた前年よりも20万円近く増えていました。恐らく、今はもっと差が開いているのではないでしょうか。そのため、社内では親会社の人間に収入の話は絶対にするなとのお達しが出ています(笑)」
そのため、親会社のほとんどの社員は自分たちのほうが給料を多くもらっていると思い込み、関連会社や子会社の人間を見下してくる人もいるそうです。
「世の中本当に分からないものですよね」
「彼らからしたら出向になった私も格下扱いでしょうけど、年収のことを知ったらショックを受けるだろうなぁと思うと腹も立ちません。私自身、まさかグループ会社勤務なのに親会社の社員相手に優越感に浸れるとは思ってもいなかったので。世の中本当に分からないものですよね」
サラリーマンのなかには出向を受け入れられず、会社を辞めてしまう人もいます。今回のケースのように待遇や職場環境が親会社以上というのは稀かもしれません。
しかし、親会社並みやそれに近い待遇の子会社、グループ企業は意外とあります。辞めて後悔しないためにもそこをしっかり見極めておくのがいいでしょうね。
<取材・文/トシタカマサ イラスト/小池祐子(@ikeko322)>
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