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白紙のチラシで客が殺到。スーパー・サミットを日本一にした社長の奇策

ビジネス

消費税率10%への引き上げで予想される影響は?

 日本は人口減少の時代に突入しており、解決の見込みは見えていません。人口の減少がそのまま客数の減少につながり、スーパーマーケット業界はさらなる競争の激化が予想されています。

 さらに、近年では、ドラッグストアや、コンビニエンスストアの存在感も増しています。こうした競合企業の台頭のほかにも、キャッシュレス化、TPP11、日欧EPA発効など業界を巡るさまざまな制度が、業界内に変化をもたらしています。そのなかでもひときわ注目されているのが、10月に予定されている消費税率引き上げです。

「2019年版スーパーマーケット白書」(全国スーパーマーケット協会)では、消費税率引き上げによる業界への影響予測がされています。この白書では、「駆け込み需要と反動減」と「引き上げ後の消費低迷」の2点に絞って詳説されています。

 駆け込み需要については、制度の目玉となっている軽減税率の導入や、プレミアム商品券やキャッシュレス決済のポイント還元もあるため、影響は限定的であろうと予測されています。ただ、軽減税率制度の理解が消費者に浸透していないため、消費者行動の予測ができない面もあるとしています。

 一方、税率引き上げ後の消費低迷は避けられないだろうとの見方を示しています。前回の8%への引き上げ時には、3年間にわたって、消費水準が低下し続けたことがこの予測の根拠になっています。家計への税負担は、さまざまな減税制度によって前回の増税時よりは大きくないものの、それでも家計を圧迫することには変わらず、消費水準が低下するのは必然であると結論付けています。

社長の意識改革に、ネットで好印象の声

仕事

「ここ何年かで、サミットの印象が変わった感じはしていたけれど、社長の改革のおかげだったのか!」
「働いている人が楽しんで仕事をしている売り場というのは、お客様にも伝わってくるものです」

 ネットでは、竹野社長による改革を経たサミットに対して、好印象を抱いている声が少なくありませんでした。

 4期連続で売上高・利益とも過去最高を記録しているサミット。その決算発表会の場で、記者にこれまでの改革について訊かれた際、竹野社長は感無量といった様子で「『毎年最高益』はどうでもいい話で、みんながしっかり楽しく働いて、会社の成長より自分の成長を楽しんでくれている現状は、理想的な姿と思います」と嬉し涙を頬に伝わせる様子が番組で紹介されました。

 会社の成長はもちろんのこと、部下の成長を我が事のように喜ぶ姿に、理想の上司の姿を見た人も少なくはないのでしょうか。サミットはこれからも、私たちの生活を支えてくれるスーパーでいてくれるでしょう。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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