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なぜ新入社員はすぐ辞めるのか?今年の新人「2大退職理由」とは

学び

なぜ今このタイミングで短期離職してしまうのか?

 これは、冒頭でも触れた「長期休暇」が退職へのトリガーになっています。特に今年のゴールデンウィークは過去最長の10連休でした。休み前はなんとか踏ん張れていても長期休暇に入ったことで“糸”が切れ、ペースを戻せない人もいます。

 なかにはペースを戻せないどころか、連休明けに強いストレスがかかることで、いわゆる「五月病」になってしまう人も。五月病の主な症状は「なんとなく気分が優れない」「やる気が出ない」「食欲がわかない」「眠れない」などですが、悪化すると、適応障害やパニック障害を引き起こすこともあります。

 長期休暇を挟むことにより生まれやすくなる五月病。19卒の中には、これまで紹介したような心身の不調に耐えきれず、短期離職した人もいますが、五月病になり、短期離職をしてしまうと、少なからずその後の転職活動にも影響が出ます。

 もちろん先ほど紹介したようなパワハラが横行している会社なら、早々に辞めたほうが良いでしょう。しかしそうでないなら、一時の感情で行動するより、一旦立ち止まり「本当に辞めるべきか否か」を考えても遅くはありません。

五月病は「甘え」によって起こるものではない

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 ちなみに「五月病は甘えによって起こるもの」と考える人がいますが、これは誤解です。住み慣れた場所や居心地の良いコミュニティを離れ、新しい環境で仕事を始めるのは、想像以上にストレスがかかります。ましてや新人という立場では、緊張にさらされる場面も多いでしょう。

 そんな状況から、つかの間の休みを経て、「会社がツラい」と思うのは、ある意味当然ですよね。五月病になりやすい人というのは、総じて真面目、かつ無理をしてでも頑張ろうとする人が多いように思います。気分が優れない時に「なんでこんなこともできないんだろう」「ちゃんとしなきゃ」と高い理想を掲げても、大概はうまくいきません。

 まずは「朝時間通りに起きる」「電車に乗る」「会社の椅子に座る」のような、達成できそうなものを目標にしてみましょう。確実にできることを増やしていけば、次第に五月病も落ち着いてくるはずです。

 少し話は逸れましたが、今仕事を辞めたいと悩んでいる19卒は、まず“頑張りすぎない”を頑張ってみませんか? 短期離職する19卒の事例からもわかるように、考え方や仕事を取り巻く環境は人によって異なります。

 不安になると、どうしても嫌な部分にばかり目がいきがちですが、勢いで辞める前に「本当に必要な退職か」をぜひ考えてみてください。

<TEXT/草野有砂>

茨城県出身の1992年生まれ。新卒時は就職活動を行うことなくそのまま卒業、晴れて既卒となる。UZUZでは「リモートワーク社員」として活躍。
■Twitter:@UZUZ_uzcc

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