日本人富豪トップ5は20代のとき何してた?孫正義、三木谷浩史の意外な過去
第3位:滝崎武光(キーエンス)
■資産額 2兆670億円
トップ5中、もっともメディア露出が少なく世間の知名度が低いのがキーエンス創業者で名誉会長の滝崎武光氏(73)です。滝崎氏が創業したキーエンスは、製造業の生産現場を支える計測制御機器などの大手メーカー。
社員の平均年収は日本で五指に入るほど高く、その金額はなんと2088万円(Yahoo!ファイナンスより)。これは滝崎氏の「人件費は経費ではなく、付加価値創造の要素」という考えによるものです。
そんな滝崎氏は兵庫県立尼崎工業高等学校出身。実はダウンタウンの松本人志さんと同じ高校です。卒業後は進学せず、働きながら起業の準備を進め、24歳で独立。しかしここから滝崎氏は2度会社を倒産させます。
この経験から、銀行などから一切借り入れをしない「無借金経営」や利益率を最大限にするための「無駄を省いた経営」について徹底的に考え抜き、29歳でキーエンスの前身となる「リード電機」を設立します。
現在、募集要項には「公平・公正の観点から、キーエンスの役員・社員と三親等以内の方はご応募いただけません」と記載されており、実際に役員にも親戚縁者はいません。無駄や不公正を嫌う信念が伺えますね。
第2位:孫正義(ソフトバンクグループ)
■資産額 2兆6670億円
「尊敬する起業家」として名前が挙がることも多い、ソフトバンクグループの創業者、代表取締役会長兼社長の孫正義氏(61)。カリフォルニア大学バークレー校在学中の22歳のときに発明した「自音声機能付き電子翻訳機」を、自らシャープに売り込みに行きました。
大学卒業後は日本へ帰国し、24歳で「日本ソフトバンク」を設立しますが、事業が軌道に乗った26歳で、慢性肝炎を発症。医師に「5年もつかどうか」と言われ、治療に専念せざるを得なくなりました。「闘病生活は楽ではなかった。正直に言うと、入院当初の夜、病院の個室でひとりメソメソと泣きました」と、後に語っています(プレジデントオンライン、2014年5月8日)。
しかし、入院中に「3000~4000冊の本を買い込んで貪り読み」、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』を再読して「たかが自分の命くらいでくよくよしてどないするんや。もっと大きく構えにゃいかん」と思い直したそうです。この入院期間は、人生観や経営方法について考えを深める絶好の機会となったというのです。