20代に広がる“麻薬だけじゃない”依存症。アルコール、処方薬にも…
再発を打ち明けることが治療の第一歩
――仲間に出会うというのは?
斉藤:薬を使っているときは、同じように薬を使っている人たちとの交友関係を大切にしています。それでは薬はなかなか止められません。「薬を止めたらこういうふうになれるんだ」という具体的な回復のイメージを学ぶことができる“回復のロールモデル”を見つけることが大切です。
――仲間と正直に話せる関係というのは対処法にも関係がある?
斉藤:この次に大事なのが、薬を止め続けるための対処法を学ぶことです。薬物に限らず依存症というのは最初の頃は3か月、次は6か月、1年……といった感じで再発を繰り返しながら回復していく病気です。
再発したことを責められると人間は嘘をつくようになります。また反省するのがうまくなります。嘘をついて反省したフリをするのでは再び同じことを繰り返してしまう。再発したことを正直に話せる環境作りをして、薬物を使いたくなった場所や状況、時間帯、感情、人間……こういった要因を書いて洗い出し、可視化して自覚し、再発のリスクが高まったときにどうしていくのか対処(コーピング)スキルを身につけることがポイントです。
⇒次回、<日本で薬物をやると“一発レッドカード”。再起に向けた取り組みとは?>に続く。
<取材・文/小林たかし>