趣味のバーベキューを副業に!”好き”を仕事にした大手コンサル人事の働き方
勤務中と睡眠時間以外はBBQのことを考える
――BBQに対する並々ならぬ情熱を感じます。BBQ研究家として、具体的にどのような活動をしていますか?
岩井:「Share Style BBQ」といって、BBQを通したコミュニティづくりを支援しています。会社に勤務している7時間と寝ている時間以外は、どうすればBBQの参加者全員が楽しめるのかをずっと考えています。だから昼休憩にもBBQの打ち合わせを兼ねたランチをしています。
主催をしているうちに、BBQ場のリニューアルやプロデュースを依頼されるようになり、東急吉祥寺の屋上にある「FARMERS BBQ」というBBQ会場や、江東区のSUISAI BASEという公園のBBQサービスの開発を業務委託として受けるようになりました。プロデュースを含め、年間40回ほど開催しており、2018年までの参加者は延べ1500人を超えています。
プロデュース料は約10万円「常に10案件が稼働」
――年に40回も! 失礼ですが今の副業の収入はどれくらいですか?
岩井:全体の収入の30%くらいですかね。イベントのプロデュース料がだいたい10万円ほどで、常に10個くらいの案件を動かしています。
――BBQを本業にする、という選択肢はなかったのでしょうか?
岩井:ありました。本当は独立したかったのですが、結婚して子どももいたら、やはりそこまで思い切り舵を切れませんでした。もし独身だったら間違いなくBBQを本業にしていましたね(笑)。でも今は、たとえ副業のボリュームが大きくなっても、どうにか本業の仕事を続けたいと思っています。
――それはなぜですか?
岩井:会社が副業を容認してくれたおかげで、僕の承認欲求が満たされたからです。僕、個人から見て、BBQイベントの案件のクライアントと同様に本業の会社も同じクライアントのようなイメージになっているんです。
多様性を尊重する社風でWIN-WINの関係
――10個あるクライアントのうちのひとつに本業先が入ってくるということですね。
岩井:そうですね。そう考えた場合、本業先が圧倒的に収入の高いクライアントですので、感謝しかないですよね。
――労働時間外だとしても、副業先にもこれほど力を注いでいたら、社内から何か言われたりしませんか?
岩井:特に言われません。たとえ何か言われたとしても、気にしません。こう思えるのは本業先の社風が影響しているんです。私の会社では、「ダイバーシティ&インクルージョン」を謳っており、多様性を尊重しています。だから私は、もっと個を大事にして、組織の中にあるアンコンシャス・バイアス、つまり“無意識の偏見”をなくしたいと考えています。その一環として、フランクなファッションで出社をして、副業も積極的にしています。
<取材/橋本岬 写真提供/岩井慶太郎 協力/シューマツワーカー>