埼京線が遅延する日数・長さに驚き。遅れる原因は?
「通勤電車はよく遅れる」。いや、“よく”という言葉が微妙なほどで、より踏み込んで言うなら、空気を吸うように遅れる。
都心部へ電車通勤する人のなかには、あらかじめ多少の遅延が生じることを見込んでいる人も多いだろう。
鉄道会社も遅れたくて遅れているわけではないのは重々承知であるが、利用者の立場だと「朝のラッシュ時には通勤電車は遅れるのが当たり前」と、諦めの境地である。
20日のうち18日も遅延する路線とは?
そうした中で「とりわけ遅れが多い路線があるのでその理由を知りたい」と読者から依頼があった。その路線とはJR埼京線。
国土交通省が調査した「平日1か月当たりの遅延証明書発行日数状況」(平成29年度)によると、実に1か月のうち18.2日で遅延証明書が発行されている。調査日数は20日間なので、つまりはほぼ毎日遅れているのだ。
この埼京線を上回る遅れっぷりの路線は中央・総武線各駅停車(19.2日)、宇都宮線・高崎線(19.0日)、中央快速線・中央本線(18.8日)だけ。埼京線は首都圏ではトップクラスの“遅れる路線”なのだ。
ほぼ毎日遅延する「JR埼京線」ユーザーの心理
利用者は果たしてその実態をどう思っているのか。朝のラッシュ時に埼京線を訪れてみた……が、大混雑の上に1分も惜しい通勤時間。とても利用者に声をかけて話を聞ける状況ではないので、改めて夜の帰宅時間帯に沿線に足を運んだ。
「遅れるのはしょうがないですよね。一応、15分余裕を持って家を出ているんで」(30代・男性)
「別に遅れていても、順番に電車が来るならあまり気にならない。時間通りに来ると、最初から思っていない」(40代・男性)
「遅れよりも混雑のほうがツラい。東京はどこも同じだから、しょうがないんですけど」(20代・女性)
総じて見れば、やはり埼京線ユーザーたちは電車の遅れについては諦めてしまっているようだ。