日本のマンションは「オワコン」なのか?住宅購入の注意点
2017年くらいでしょうか、不動産業界に長年いる年上の友人とワインを飲んでいたときのことです。
「のらえもんさん、もう日本には伸びしろはないですよ。これからは東南アジアのマンションが絶対に伸びます。大きな声では言えませんが、いま日本で低金利の融資を受けて、東南アジアのマンションを買うのが流行ってます」
と、彼が言っていました。
日本人が東南アジアのマンションを買う理由
友人いわく、このような理由があるとのこと。
・そもそも東南アジアの人口ピラミッド(底広の三角形)を見れば一目瞭然、戦後の日本と一緒
・人口ボーナスがある地域がこれから強い。将来人口こそが住宅の需要を作る
・ただし、東南アジアの現地通貨で融資を受けて住宅を買うのはかなり困難
・そこで低金利の日本で融資を受けて東南アジアの物件に投資することが盛ん
・東南アジアの通貨はインフレ率が日本に比べて圧倒的に高い。長期的に見て、日本の円との交換レートがさほど変わらないのであれば、日本の円が地盤沈下していることになる
東南アジアの現地の人たちも大規模住宅開発プロジェクトの物件を買っています。一部の人はなけなしのお金をはたいて、現地通貨建て高金利で買っているとのこと。
彼らにとっては危険な目一杯のローン返済額を借りて買います。しかも多人数家族なので、狭い部屋に一族で暮らしています。しかし、それ以上に物件価格が猛スピードで上昇しているため、確実に払えるローンで購入し生活を変えなかった人たちに比べて、リスクを取った人たちのほうが急速にお金を持ち始めている、というのです。
これは10数年前の中国と同じであり、環境が整備されていくにつれて、これから東南アジアの国々の住宅価格は上がっていくだろう。そう友人は締めてました。
日本には本当に伸びしろがないのか?
なるほどなーと思ったところで、次の話題に入ったのでこの話は深まらず。しかし「日本に伸びしろはない」と言い切った彼の読みが、私の心に暗い影を投げかけたのでした。
たしかに、日本は人口減少が急速に進んでいます。団塊世代の半分しか若者がいないので、日本人の採用にすら困るようになってきました。
これから、道路・電気・水道・警察消防・学校などのインフラを日本の地方の隅々まで提供し続けるのは困難になってくるでしょう。少子化は1980年代には問題になっていたのに、問題を放置し続けた政治と行政の責任です。
しかし、本当に伸びしろはないのでしょうか? 実は日本ではなく、都市圏で見るとまた違う事情が見えてきます。