斎藤工、海外の巨匠に学んだ「74億人に向けて日本映画を作る」方法
幸運とは耐え抜いた先に訪れるもの
――それでは最後に、国内外で活躍されているおふたりのようになりたいbizSPA!読者に向けて、どのような意識を持つべきかアドバイスをお願いします。
クー監督:どれだけモチベーションを持てるかということもあるけれど、まずは「どういう自分になりたいのか?」ということに対する思いの強さみたいなことが大切。
そのためには、一生懸命に仕事をして、夢を持つということじゃないかな。そして、一番大事なことはポジティブでいることだと伝えたいと思うよ。
斎藤:いまは選択肢が多い時代ですが、やめないことが逆に特徴になると思っています。それは弱音を吐くなということではなく、やめずに耐えたその先に見える景色を信じるということです。まさに僕の人生がそうでした。今回、僕がエリックと“本物の出会い”をしたように、幸運は耐え抜いた先に訪れるものなのかなと感じています。
僕も長い下積み時代には、腐りまくっていたこともありました。でも、やめるという一番簡単な選択肢を取ることが悔しかったんです。もちろんやめる機会はいくらでもありましたが、それを乗り越えたことで役者としても監督としてもご褒美のようなことが起こったので、これはひとつの事実として若い方には言えるのではないかなと思います。
あとは、自分のなかで「これは本物だ」というものを明確にしておくこと。何でもいいと思いますが、自分の心が動くものをしっかりと見定めてクリアにしておくと、自分自身が見えてくるはずです。
<取材・文/志村昌美 撮影/山川修一>