廃業したスペースワールドを復活させる斬新な思考法。ドローンを飛ばして…
平成の時代もまもなく終わろうとしていますが、世の中慌ただしいです。今年も2か月すぎてから、カルロス・ゴーン逮捕の日産や、“施工不良”が明らかになったレオパレス、あるいは不正統計の厚生労働省などの不祥事が発覚。
こうした事件は経営陣や組織のトップの問題であり、イチ会社員である自分には関係ないと考えている人も多いかもしれません。しかしながら、「あなただったらどうするか?」という視点で考えることは決してムダではなく、論理的な思考を養う一助となります。
こうした固定観念や既成概念にとらわれない新たなアイデアを生み出す思考法は“ラテラルシンキング”と呼ばれます。今回は、ラテラルシンキングで、不祥事などの事例をどうやって解決するか、木村尚義さんの著書『NOロジック思考』をもとにご紹介します。
前回は赤字の大塚家具について紹介してきましたが、今回は昨年廃業したスペースワールドを実例に考えてみます(以下、木村さんの寄稿)。
廃業したスペースワールドを復活させる
スペースワールドは、かつて福岡県北九州市八幡東区に存在した宇宙のテーマパークです。魚が泳ぐ上でスケートができる“インスタ映え”なスケートリンクを作ろうとして、魚5000匹を氷漬けにした、あのテーマパークと聞けば思い出すかもしれません。
誤算だったのはスケートリンクがインスタでウケるどころか、悪趣味だと炎上騒ぎになったことです。運営会社としては悪意があってやったわけではなく、「来場者に喜んでもらいたい」という一心でのことでしょうから、この事態は思いもしなかったはずです。
スケートリンク騒ぎが引き金となったのかは不明ですが、結局スペースワールドは2017年12月末で閉園してしまいました。
魚のスケートリンクが炎上した理由
今回、スケートリンクに使われていたのが、もともと規格外で捨てられる運命の魚だったとしても、生き物を食べるのではなくて、氷漬けにし、踏みつけてもて遊ぶ。しかも金儲けのネタとして、という点は日本人の美学に合わないでしょう。
これがすべて生身の魚ではなく写真かフィギュアを埋め込んでいたら、また違う結果になったかもしれません。実際に、問題のスケートリンクではジンベイザメなど巨大な魚には写真を使って展示していました。
そもそも宇宙をテーマにしたテーマパークなのに、魚のスケートリンクで話題を集めようとした点も違和感があります。
少なくとも未来をテーマにしたスケートリンクを作っていれば、多少の不手際はあったとしても、その名称にふさわしいものに仕上がったはずです。