ソフトバンク、過去最高益だけど…社員の不安は“カリスマ孫正義の後”に
他の3大キャリアに比べて年収は高い?低い?
ご存知のとおり、ソフトバンクはドコモ、KDDI(au)とともに携帯電話事業の3大キャリアのひとつである。東京都港区に本社を置き、設立は1986年。
かつてはJ-フォン、ボーダフォンという携帯電話サービスだったが、2006年に当時のボーダフォン日本法人をソフトバンクが買収して携帯電話に参入した。2008年には日本で初めてiPhoneを販売した。
創業者はご存知、カリスマ経営者の孫正義氏。孫氏は現在でも取締役会長を務めている。
今回のソフトバンクの上場により純粋な持ち株会社となったソフトバンクグループ株式会社は連結ベースの従業員数7万4952人(Yahoo!ファイナンスより。以下、同)で、2018年の平均年収は1158万円(平均年齢40.5歳)である。
ちなみに、日本電信電話(NTTグループ)は従業員数が30万6750人、平均年収は905万円(平均年齢41.3歳)、KDDIが従業員数4万1032人で、平均年収は936万円(平均年齢42.4歳)なので、ソフトバンクグループは3大キャリアの中で平均年収が最高値となっている。
実際に働いている社員はどのように感じているのだろうか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」の口コミを見てみたい。
口コミでもわかる孫正義氏の圧倒的存在感
口コミでも孫正義氏の存在の大きさが感じられる。しかし、存在が大きすぎるゆえの懸念もあるようだ。
「孫正義の存在は圧倒的。しかし、すでに国内事業からは離れており、数年前にあったこの人のかじ取りは感じられない。この人が退くタイミングがこの会社の本当の正念場だと思う」(マーケティング/30代前半男性/正社員/新卒入社3年~10年未満/投稿時に在職/650万円/2018年度)
これまで業界を驚かせるさまざまな改革を行い、また成果を出してきたソフトバンクだが、それは孫正義氏の存在があったからこそ。孫正義氏以降の自社の行く末に一抹の不安を感じる内容となっている。
また上記の口コミを寄せたユーザーは、やりがいに関する口コミで業務内容についても言及している。
「大企業化している点は否めない。孫正義の志に憧れて入社するも想像と異なり、退職する人は多い。外から見るとクリエイティブ、イノベーティブな仕事ができそうに思えるが、そういったことができる人は一握り。実際の多くはごくごく普通の業務内容である」(マーケティング/30代前半男性/正社員/新卒入社3年~10年未満/投稿時に在職/650万円/2018年度)
理想の仕事と現実のギャップは多くの職場で生じることだろう。それがカリスマ経営者にあこがれを持って入社した場合だと、ギャップに対する落胆は大きくなってしまうのかもしれない。