キャバ嬢とホスト、部屋を借りにくいのはどっち?水商売で働く人たちの賃貸事情
新宿、歌舞伎町――。キャバクラやホストクラブなど、水商売の店がひしめく日本一の歓楽街。
その一角に、“水商売で働く人たち”をターゲットにした不動産屋「クレスタ」がある。現場を率いるのは、現役キャバ嬢としても活躍中の青木人生さん(@kuresta77)。
全4回にわたってお届けしている青木さんロングインタビュー。最終回は、水商売の中でももっとも“部屋を借りにくい”あの職種と、青木さんが抱く野望を語る!
水商売の中でも部屋を借りにくい職種は?
――水商売とひとくちに言っても、キャバ嬢から風俗嬢、ホストなどさまざまな職種があります。仕事によって借りやすい、借りにくいというのはありますか。
青木人生(青木):ホストの方も最近、すごくお客さまで増えているのですが、これがなかなか大変なんです。水商売可の物件でも、キャバ嬢さんはよくてホストさんはダメというケースはザラにありますし。
管理会社の方に理由を聞いてみると、圧倒的に男性のほうが退去時に部屋を汚していることが多いらしいんですね。
――ああ、水商売じゃなくて普通の大学生とかでも、女子大生と男子大学生だったら男子のほうが汚くしそうですしね。お風呂場カビだらけでもまったく気にしないとか……。
青木:そうそう、そういうことです(笑)。ホストさんだとそれに加えてお酒も入りますからね。よく、若いコは何人かでシェアして暮らすこともあります。女のコだと特に問題ないんですけど、男のコは喧嘩になると普通に壁に穴とかがあくんですよ。
修繕費用はお客さまの負担になるので問題はないんですけど、修繕にかかる期間がネックになって。その間は貸すことができないじゃないですか。その点、女のコは比較的キレイに使ってくれるので出ていったらすぐ次に貸せる。そういう問題がやっぱりあるんです。
固定電話の有無は実は意外と大事
――他に、水商売の中で借りにくい仕事は……。
青木:スカウトさんですね。スカウトさんは個人で活動していますから、固定電話を持っていないことが多いんですよ。でもそうなると途端に借りにくくなる。ホストさんでもキャバ嬢さんでも風俗嬢さんでも、所属している店があればそこに在籍確認ができるじゃないですか。
だけど、固定電話のないスカウトさんだとそれができない。そうなると、管理会社や保証会社にとっては正体不明、ホントにそこで働いているのか、何をしている人なのかがわからなくなる。確かに簡単には貸せなくなりますよね。
――なるほど、固定電話の有無は実は意外と大事なんですか。今の時代、携帯だけでも充分生活できるんですけどね。
青木:そうなんですけどね。だからスカウトさんも会社があるなら固定電話を置いてくれればいいのにと思うんですけど、なかなかそうもいかない。
水商売のピラミッドの中で、こと不動産に関して言えばスカウトさんは一番下です。若くしてたくさん稼いでいる方もいるので、収入に見合ったところに住みたいと思っても、なかなか難しいのが現実なんです。