「NHK集金人」をしていた24歳が見た悲惨。集金先で「ぶっ殺す」と言われ…
世の中にはさまざまなブラック企業があります。しかし、仕事が原因で殺されそうになった経験を持つ人は少ないのではないでしょうか。
今回お話を伺った増田隆さん(仮名・24歳)は、そんな貴重な(?)経験がある一人。増田さんが新卒で入社したのは、NHKの放送受信料の回収を行う委託会社でした。
1年3か月勤めた後、昨年9月に転職したそうですが、当時のことを振り返り「もう一生やりたくないですね。人に嫌われる仕事なので…」と話し始めました。
NHK集金人の仕事を友だちや親にも言えなかった…
「大学生のときに友だちの家で飲んでいて、夜にチャイムが鳴ったんです。友だちが『あー、NHKだから出なくていいよ』って。嫌われる仕事ということはなんとなく知っていました。なので、いざ自分がその仕事をやることになったら、友だちや親にも言えないし、仕事中に知り合いに会いたくないので、県外の営業所を転々としていました。」
1年間で博多、北海道、岡山の3営業所を回ったという増田さん。毎日14~22時まで、多い日は300軒以上のお宅を自転車で訪問していたそうですが、やはり遅い時間に行くと怒られることも多かったとか。
「とくにお酒を飲んで酔っ払っている人は、歯止めがきかなくなってしまうので怖いです。そうなってしまうと受信料もなかなか払ってもらえないので、本当にメンタルが強い人でないと続かない仕事だと思います。」
なかでも北海道で起こったある出来事は、初めて死を身近に感じた瞬間だったと語ります。
男性のおどしに言い返したら逆効果…
「21時くらいにお宅を訪ねたら、玄関が開くと同時に40代後半くらいの男性に『何時だと思ってんだ』と怒鳴られました。
ごもっともなのですが、こちらも仕事なのでと説明すると、部屋の奥からゴルフクラブを持ってきて、床をガンガン叩きながら喚き散らし始めたんです。まるで怒り狂うゴリラのようでした。しかも酔っ払っていて呂律が回っていないので何も聞き取れない」
本当に暴力を振るう度胸もないくせに、脅そうとしているだけに違いないと思った増田さんは、男性のおどしにひるむことなく言い返したそう。ところがそれが火に油を注いでしまいます。
「『僕を殴っても何の解決にもならないですし、むしろ慰謝料のほうが高くつきますよ』って、ちょっと嫌味っぽく言い返したら、ものすごく怒らせてしまいました。ろれつが滅茶苦茶な罵声を叫び浴びせられ、靴箱の上に置いてあった木彫りの熊を手に取ると振りかざしてきたんです」
思わず「うわっ」と目をつぶった増田さん。その瞬間、「やめなさい!」という奥さんらしき女性の声が聞こえてきます。