大森南朋&貫地谷しほりが語る「苦労した下積み時代の思い出」
貫地谷さんは「百戦錬磨の女優」だと思う
――貫地谷さんの妻役はいかがでしたか?
大森:しっかりされてる方だなと。本番だけピッと違う空気になるといいますか。さすが百戦錬磨の女優さんだなと。
貫地谷:言われたことないですよ(苦笑)。
大森:いや、ほんとスゴイなと思いました。カメラが回ると、ビックリするくらい、そこに立っている人になる。
貫地谷:それは南朋さんもそうですよ。
――カメラの外の貫地谷さんはどんな感じなんですか?
大森:普段ですか? このまんまです。……いや、普通ではないんですけど、ふわっとしている印象です。
貫地谷:何か現場ではずっとゲラゲラ笑っていた気がします。
大森:確かに。僕ら、何に笑ってたんだろう。
貫地谷:南朋さんがよく行かれているお店の話とか、作品とは全く関係のない雑談をしていましたね。
日本映画伝統で作られたセットに感動
――後半に出てくる夕焼けのシーンは、きっちり組まれたセットでの撮影だったそうですね。
貫地谷:素晴らしかったです! そう、セットなんです! セットなのに雲が動いていて。すごくアナログな形で撮っているんですけど、あれは素晴らしかったです。
大森:京都太秦の美術スタッフの技術のすごさ、日本映画伝統のやり方を感じました。今はあんまりそこまでやらないと思います。
貫地谷:私、初めて見ました。本当にすごかったんです! 本当に外にいるかのようなセットが広がっていました。
大森:意外と近くで見ると、これで大丈夫なのかなという感じもあるんですけど、カメラのピントの具合なども計算して作っているんです。すごいです。