成人式に「出席したくない」という20代の言い分。全国でも3割が欠席…
全国調査で明らかになった成人式の出席率は…
実際、成人式の参加率はどの程度なのか。日本財団が昨年12月に行った「18歳意識調査」では、「成人式に出席したくない」と答えた人が29.4%だった(全国17歳~19歳の男女、回答数800人)。
また、きもの・和装業界誌「ステータスマーケティング」を発刊する有限会社きものと宝飾社が2018年に行った「平成30年成人式参加率全国平均推定値」では、地域性はあるものの、成人式参加率は平均60%だった(2018年3月28日発表)。
地域別の参加率では、北海道富良野市(72.0%)、愛媛県松山市(73.2%)など地方のほうが平均よりも参加率が高く、一方で、東京都調布市(54.3%)、東京都多摩市(56.8%)、京都府京都市(50.5%)などの都市部は平均以下の水準となった。
どちらの調査でも60~70%が「成人式に参加したい」と考えているようだが、一方で、3割は「成人式に参加したくない」と考えている(場所によっては半分近く)ようだ。
成人式に欠席する人たちの言い分
そんななか、成人式に欠席した理由を「当たり前のように出ませんでした」と述べるのは、ライターとして働く由美子さん(23歳、仮名)。「成人式に出なかった人は自分の両親くらいしか知らないんですが、父は『案内状が来なかったから出なかった』と語っていて、母は『興味がなかったから出なかった』そうです。当然、私も当たり前のように欠席しました」
前出の達也さん同様、由美子さんも大学進学を機に、地元沖縄から東京に引っ越したため、地元に残っている友達が少なかった。
「中高時代自体が黒歴史だったので、もともと友達は少なかったのですが、わざわざ行っても周囲から浮いてしまう。友達もいないのに、沖縄まで高いお金をかけて飛行機で帰るのはバカバカしかったです」
また、女性ならではの悩みもあったという。
「容姿に自信がないので、振り袖を着たり写真を撮ったりするのに乗り気でなかったです。振り袖やヘアメイクって、お金がかかりすぎですよね? 着付け込みのレンタルで10万~20万円とかするし。周りが華やかに着飾っているのに、一人だけスーツ姿で行くのも嫌でした」
最後に「そもそも成人式というものの存在意義がわからないし、興味がない」とキッパリ。参加しなかったことにも後悔はなさそうだ。
成人式は人生に一度だけと言いわれるが、出席しても後悔している人、自分の意志で不参加を決めた人などさまざまな声がある。まさに今日、成人式に行きたくないなぁと思っている人は、もう一度、自分の胸によく問いかけてみてはどうか。
<取材・文/井野祐真>