SHOWROOM前田社長の「最強のメモ術」日常をチャンスに変える
日常の全てがビジネスのアイデアに変貌する
左ページに書いたファクトから、普遍的な真理や現象を書き出すことを「抽象化」と呼び、これが物事の本質を抽出する作業になります。
この作業を経ることによって「日常の全てがビジネスのアイデアに変貌する」と前田さんは言い、本書でも多くのページを割いて詳しく説明しています。
「抽象化」から導き出された物事の本質を、自分の事業や取り組んでいることに利用できるように当てはめてみることを前田さんは「転用」と名付けています。この抽象化と転用こそが、前田流のメモ術の根幹であり、これによってメモを知的生産ツールにすることができるのだそうです。
「SHOWROOM」を生み出したメモ術
前述した通り、このメモ術によって生み出されたのが、アーティストやアイドルの仮想ライブ配信サービス「SHOWROOM」です。このサービスを例にとって、抽象化と転用の実用例を説明します。
前田さんは、幼くして両親を亡くしてしまったため、小学生の頃から、駅前でギターの弾き語りをしてお金を稼ぎ、家計の足しにしていたそうです。路上ライブを何度もしているうちに、
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・カバー曲を歌うと、オリジナル曲のときよりも立ち止まってもらえる。
・立ち止まってもらった人のリクエストに応えると、ぐっと仲良くなる。
・そうして仲良くなったあとにオリジナル曲を歌うと、もっとお金がもらえる。(※実用例については55P~56Pから引用、以下同)
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という事実に気が付いたそうです。これが、前田さんの言うファクトです。このファクトから得られた気付きをより普遍的な言葉へとアウトプットします。
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・仲良くなるには、双方向性が大事。
・人は「うまい歌」ではなく、「絆」にお金を払う。
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これこそが前田さんが最も大事だと主張している、抽象化です。さらに、それをSHOWROOMというサービスに具体的なものに落とし込むために
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・双方向性があり、絆が生まれる仕組みをネット上に作る。
※それによって、アーティストが自分の力で(リアルよりも効率的に)ファンを増やし、お金を稼ぐことができるようになる。
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という、転用を導き出しました。このように、現実の世界で興味深いと感じたことをインプットし、即座に、抽象化、転用へとアウトプットできるのが、前田さんのメモ術のメリットです。