若手社員の忘年会カラオケの乗り切り方「課長のX JAPANでXジャンプをすべき?」<常見陽平>
同僚よりも一歩リードしたいけど、会社の奴隷にはなりたくない!
そんな若手サラリーマンに、自称「若き老害」にして働き方評論家・常見陽平氏が、会社で“ほどほど”にうまくやっていく方法を伝授。第5回は、これからの忘年会シーズンに多いカラオケの乗り切り方!
【今回の講話】忘年会カラオケの乗り切り方!
若き社畜たちに告ぐ! これから年末にかけて、君たちには地獄の日々が待っている。
そう、忘年会シーズンなのだ。意識高い系はこれを「望念会」などと呼ぶが、社畜にとっては、毎日のように飲みで疲れる上に、カラオケという苦行プレイが待っている!
『風の谷のナウシカ』風に言うならば、「火の7日間」が続くようなものだ。『ドラえもん』風に言うならば、毎日がジャイアンリサイタルだ。上司・先輩のカラオケにうんざりし、気持ちよく歌おうと思ったら、偉い人と曲がかぶったり、「何、その曲?」という空気が流れる日々が続くのだ。お金もきついし、体力も持たない。
私はいくつかのバンドでボーカルをするほど、歌が好きなのだが、会社のカラオケは苦手だった。気を使う、空気を読む、諸々の同調圧力……。サラリーマンを辞めてよかったと思うのは「会社の仲間とのカラオケ」に付き合わずにすむことだ。サラリーマン時代、無茶振りをし、激昂する上司と同じくらいに苦手だったのが、この「会社カラオケ」だった。
そんな私が、若き社畜たちのために、会社におけるカラオケの作法を伝授しよう。会社のカラオケは、楽しむな! 会社カラオケ嫌いな私だが、なんとかこうやって乗り切ってきた。
これまで若い人から相談された内容をまとめてみた。ぜひ、活用してほしい。
課長がX JAPANを歌ったときにするべきことは?
Q.「ワンオクが好きです。会社のカラオケで歌うのはアリでしょうか?」
A.まあ、若いからしょうがねえなという反応を狙うのであればOKでしょう。
40代に前出したようなバンドを歌われると嫌な感じがしますが。なかには、若い人の曲を知っていることを過度にアピールする「若者応援おじさん」「ロックの魂まだ死んでない系」もいます。これも適度にあしらいましょう。
Q.「ONE OK ROCK、MAN WITH A MISSION、WANIMAを歌う40代の課長がいてウザいです。若い人のことを知っているぞ風のアピールが辛いです。どう対応すればいいですか?」
A.傍観しましょう。
今は音楽の趣味が多様化していて、みんなでまとまって何かを体験することは難しい時代です。だいたい、同世代の仲間とカラオケに行っても知らない曲があって戸惑うでしょう? 若い文化に接しているアピールか、息子・娘の影響で聴き出したという家族自慢になるのがオチですから、生ぬるく見守りましょう。
Q.「課長がX JAPANを歌うんです。「X」のときはXジャンプをするべきでしょうか?」
A.わざわざそこまでしなくても、腕をX字にしたり、割り箸でXくらいでいいです。
それよりも、ボーカルの声がどこまで出るか、音を外さないかなどを面白がって見守りましょう。「X」はまだわかりやすいからいいですよ。「Born to be free」など、最近の曲はどう盛り上がっていいか分からないですから。
「ENDLESS RAIN」「Say Anything」「Forever Love」で泣くなどはやりすぎですから、やめましょう。もっとも、この、相手をひたすら立てようとする姿勢を見ている上司・先輩もいますから、悩ましいですねえ。
苦行につきあっている様子は同期、後輩から尊敬されたりもしますが。