営業先の社長が「昼から飲酒を強要」…“モンスター顧客”に呆然
近頃、部下にパワハラやセクハラ、アルハラをする上司を“モンスター上司”と呼ぶことがありますが、モンスターは社内だけにとどまらず、取引先でも遭遇するようで……。
今回はそんな“モンスター取引先”の洗礼を受けてしまった営業マンのエピソードです。
現在はIT企業で働く北田智樹さん(仮名・33歳)。前職は専門誌を発行する出版社で広告営業を担当していました。
一言で言うと雑誌ごとに設けられた広告枠をセールスする仕事です。広告代理店を回るルート営業、なんとなく華やかな印象を抱いてしまいますが、実際のところは……。
「華やかだなんてとんでもない(笑)。中高年男性向けの雑誌だったので、広告に載せる商材はもちろん中高年向け男性の商材ですから、働いてる方も年齢層高めの男性が多かったです。アラフォーの人でも若手くらいの位置づけでしたよ」
「代理店を喫煙所代わりに」テキトーな営業スタイルに疑問
そして実際の現場は、新卒入社の北田さんが社会人に対して抱いていたイメージを覆すものでした。
「同業他社の営業マンは『顔を繋ぐ』という名目で、何時間も同じ代理店に居座って世間話だけして帰っていましたし、オフィス内でタバコが吸える代理店には喫煙所感覚で寄って何もせず帰る人もいましたね。社会人になりたての時は思いました。これでいいのか?って」
そんな先輩社会人を呆れ半分で見つめていた北田さんも時が経つにつれ、段々と独特な業界色に染まっていきます。
「僕が仕事をしていたころは過渡期で、まだギリギリ紙の雑誌が売れている時代でした。なので自分から営業努力をしなくても、媒体の力でバンバン申し込みが来るので、正直とにかくラクなんです。日中の大半は仲の良い取引先で夕方までのんびりして、そのまま直帰なんて日はザラでした」
アラフォーでも若手扱いの業界、入社当時20代前半の北田さんは人当たりの良さもあってか、高級な焼肉店やキャバクラに連れていってもらえるなど、ずいぶん可愛がってもらったそうです。
生産性のない飲み会にウンザリ
しかし「苦労することも少なくなかった」と言います。仲間意識が強い広告代理店が主催する交流会と称した飲み会が毎週のように開催され、北田さんは毎回のように「若手枠」として招集がかかりました。
「行かなくてもほとんど仕事に影響はなかったと思うんですけど、普段良くしてもらっていた分、なんとなく負い目があって断れませんでした。典型的な体育会系の飲み会で、2時間のうち1時間50分くらいはビールをお酌したり、ウーロンハイを作ったり、タバコの買い出しに行ってましたね。自分にとっては何の生産性もない会です」
当然用意された食事に箸をつけることもままならないので、会の最中は帰りに何を食べるかで頭がいっぱいに……。