【世にも不思議な副業体験】服のタグを切るだけで3万円!友人関係も深まった
多様な働き方が広がる一方で、賃金の上昇がなかなか進まない中、副業に興味がある人だけでなく、実際に始める人も増えている。では、実際に副業をやっている人は、どのような仕事をしているのだろうか? ちょっと変わった副業経験者の体験談を紹介しよう。
高校からの友人
フリーランスでWEBデザイナーをする堂島さん(仮名・27歳)には、さまざまな職種の友人がいる。なかでも高校時代から付き合いのある北田さんとは気が合い、今でも頻繁に連絡を取っている。そんな彼に頼まれた手伝いが、堂島さんの副業のきっかけだったそうだ。
友人の北田さんは、高校からその独創的な完成やデザイン力で、文化祭などのイベントになるとクラスから頼られる存在だったのだとか。そんな彼がデザインの道ではなく、別の業種の会社員として働き始めたときは堂島さんも驚いたという。
「てっきりデザイン系の会社とかアパレル系に進むのかと思っていたので、俺だけじゃなく友人はみんな驚いてましたね。でも、それは北田が自分の好きなことをするために選んだ道なんだとわかって、確かにそういうヤツだったなと安心しました」
会社員の傍らアパレルブランドを運営
北田さんは会社員として働いてお金を貯めながら、自分のアパレルブランドを立ち上げて頑張っている。最近ではSNSのフォロワーも増えており、徐々に顧客が増えていると、うれしそうに話していたそうだ。
「忙しいのはいいことなんですが、普通に会社員として働きながら、SNSの更新とかデザインとか発送とか、全部やっているんで大変そうでしたね。それで俺から何か手伝えないことはないかと声をかけたんです」
猫の手も借りたい
フリーランスで時間の都合がつきやすい堂島さんは、アルバイトや副業ではなく、友達の手伝いをするだけのつもりだった。報酬をもらうことも考えておらず、その旨を北田さんに伝えたが、彼からは「きちんと給与を払いたい」と強い申し出があったそうだ。
「北田いわく、猫の手も借りたいくらい忙しいのに仕事が不定期で、なかなか誰かに頼めなかったとのことでした。まだ仕事をしてもいないのに、何度もありがとうと言われて、これは頑張らないとなと思いましたよ」
ひたすらタグを切る
北田さんから頼まれたのは、洋服の襟元についているタグをひたする切るという仕事だった。以前OEMで製造したロットが大人の事情で売りさばけず、新しく作った自社ブランドで再販するのだという。
「アパレルの知識はないので、あまり力になれないかもとは思っていたんですが、タグを切るだけの単純作業なら、俺でもまったく問題なくできるので安心しました。作業が早めに終わったときは、ほかにできる簡単な作業とか洋服を畳んだりとか、そういう手伝いもしています」
頼られることがやりがい
もともと副業をするつもりがなかった堂島さんだが、この仕事で月に3万円程度もらうようになり、買い替えたかったベッドを購入できたのだとか。
「北田の楽しそうな姿を近くで見ることができて、頼ってもらえるのがこの仕事の最大のやりがいですかね。一緒にいる時間が増えて話す機会も多くなっているので、これまで知らなかった彼の考え方とかもわかってきて、ますます尊敬できる友人だなと感じています」
お互いを信頼し、尊敬している素敵な関係だからこそ成り立つ副業だといえるだろう。頑張っている彼らのブランドが有名になり、わたしたちの目に留まる日もそう遠くないのかもしれない。
[文/digiart(デジアート)]