独立して収入が激減!私が副業コミュニティ事業を始めた理由【eito.ct保科拓也さんインタビュー】
給料がなかなか上がらない中、副業をしたいと考える人が増えています。しかし、いざ副業を始めようと思っていても、何から始めたらいいのかわからないという人も少なくないのではないでしょうか。
これまで、副業を探せるマッチングプラットフォームを運営するeito.ct(エイトカラット)代表取締役社長の保科拓也さんに、副業の始め方や副業をしている人の実態について聞いてきました。今回は、保科さん自身の副業経験や副業コミュニティを始めた経緯に迫ります。
サラリーマンを辞めて独立したが収入が激減
――副業を探せるマッチングプラットフォームの事業を立ち上げられたのは、そもそも保科さんご自身の副業経験が発端となっているそうですが、副業を始めたきっかけを教えてください。
保科:27歳のとき、サラリーマンの仕事を辞めて独立し、個人事業主としてB2Cの営業代行を始めました。最初の数年間は順調でしたが、30歳を迎える年に長男が誕生することが決まり、その頃から事態が変わりました。主な取引先が事業を終了したり、SNSの仕様変更が頻発したりする中で、その対策がうまくいかなくなり、収入が大きく減少したのです。生活費にも困ってしまい、副業を探さざるを得ない状況に追い込まれました。それで友人たちに相談したり、インターネットで情報を収集したりして、副業を始めました。
――具体的にどのような副業をされていたのですか?
保科:仕事の内容は本当にさまざまでした。掃除のアルバイト、オンライン家庭教師、アンケートモニターなどをやっていました。特にアンケートモニターは妻と一緒に行うことで、家賃が賄える程度には収入を得ることができました。また、クレジットカードの作成や光回線の導入などは、できる限りやりました。今でも当時作ったクレジットカードを使用しています。
――そのときの経験が現在の事業につながっているのですね。
保科:ただ、インターネットや友人からの紹介で見つけた副業の中には、詐欺まがいのものや違法なものも存在しました。幸い自分はそのようなものには手を出さずに済みましたが、その経験から「安全で確実な副業」を見極める能力が身についたのです。この知識や経験は、現在展開している副業コミュニティの運営に大いに役立っています。SNSやインターネットで適切な情報を見つけるのは難しいため、弊社のコミュニティでは案件の精査に一番力を入れており、その点が皆さんに喜んでいただけているのではないかと思います。
副業コミュニティ利用者の累計は1万3,000人超
――それでは、副業コミュニティを立ち上げようとした直接のきっかけは何だったのでしょうか?
保科:コロナ禍を契機に、収入面で困っている人々が増えたことをきっかけとして、2020年に副業コミュニティを立ち上げました。12年前に自分が副業を始めた経験を元に、多くの人々に副業のチャンスを提供できれば、役に立つのではないかと考えたのです。
結果、このコミュニティは成長し、現在では利用者の累計が1万3,000人を超えました。弊社のコミュニティは参加費がかからないため、皆さんが気軽に好きな作業に取り組んで、必要な収入を得られているので、社会的にも意義のある事業ができているのではないかと思っております。
フランチャイズ化して事業を拡大
――参加費がかからないということですが、御社のビジネスとしてはどのように成り立っているのでしょうか?
保科:副業する人を求めている企業からの紹介料を収益源としています。
最近はスマートフォンが当たり前のように普及し、AIが台頭してきて、昔ながらの事業をやってきた企業の経営者でも非常に大変な思いをされている方が増えています。また、今の事業だけでは将来の不安があり、新しい事業を展開する必要があるという危機感を感じられている経営者も非常に多くいらっしゃるのです。
そうした中で、このコミュニティの事業をフランチャイズ化し、他企業にも展開しています。現在、約40社が参加しており、それぞれ副業コミュニティを運営して副業が必要な方のお手伝いをして収益を上げています。自分はお金に困って副業を始めたのですが、そこから12年ほどたって、フランチャイズ化まで広がったことは感慨深いです。
[取材・文/bizSPA!フレッシュ編集部]
[取材協力]
保科拓也・・・株式会社eito.ct(エイトカラット)代表取締役社長。1982年、長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。新卒で都銀に入行し、その後ベンチャー系人材企業の立ち上げに携わり、27歳のときに営業代行業で独立。現在、株式会社eito.ctほか1社の代表取締役を務める。東京都渋谷区で妻と小学5年生の長男と小学3年生の長女と4人暮らし。座右の銘は「有難う、の反対は、当たり前」。