“最悪な一泊二日!“まさかグランピングの最中にLINE詐欺に遭うなんて!!
今やスマートフォンの保有率は目を見張るものがあります。幅広い世代で必要不可欠なツールになっていると言っても過言ではありません。ただ、便利になる一方、それを悪用した犯罪なども増加していると言います。今回は、レジャー中に起きたスマートフォンにまつわる緊迫したエピソードを紹介します。
突如送られてきた不思議なLINE
主人公の俊介さん(仮名・27歳)は、会社の同僚たちと男女5人で、休日に山間のグランピング施設に訪れる計画を前々から立てており、夏本番がやってきた頃ようやく実現することができたそうです。
「ずっと行きたいと言っていたグランピングだったので、当日はとても楽しみでした。同僚と言ってもみんな仲の良い人たちなので、友達と遊びに行くみたいな感じです。この時は、あんなことが起こるとは思ってもいませんでしたしね……」
そんななか、デッキでバーベキューをしている時、俊介さんのスマートフォンに今回参加している瑞穂さん(仮名・25歳)からLINEにメッセージが入ったと言います。ただ、瑞穂さんは俊介さんの目の前で楽しそうに肉を焼いていたのだそうです。
「一瞬目を疑いました。両手を使って忙しそうに調理しているのは、瑞穂さん本人。え?なんでLINE?どうやって?……。この時から、ちょっと悪い予感はしてたんですよ」
嫌な予感は的中してしまう
俊介さんはそのメッセージについてしばらく考えた後、瑞穂さんに炭の補充をしたいから一緒に来て欲しいと言って二人でその場を離れ、炭置き場でスマートフォンの提示をお願いしたそうです。
瑞穂さんは、不思議そうな顔をしながらも、その場を離れてコテージへスマートフォンを取りに行きました。しかし、その後すぐに「あ!スマートフォンがない!……さっきコンビニ行った時の道中かな」と言って戻って来たと言います。
どうやらグランピング施設から徒歩10分ほどの所にあるコンビニに、お酒の肴を買いに行った際、その道中で落としてしまったのだそうです。俊介さんの推理は的を得ていたようで、瑞穂さんのスマートフォンは悪い輩に拾われていました。
「予想した最悪のシナリオでしたね。瑞穂さんに頼まずに自分が買い物に行けばよかったと思いましたが後の祭りですよね。落とすだけならともかく、悪い奴らに拾われるなんて散々な展開ですよ……」
犯人の要求に従うことを決断
その後、奴らから俊介さんに送られたLINEメッセージには、Amazonのギフトカードを購入してPIN番号をLINEで知らせれば後でスマートフォンの位置情報を教えてやるという内容があったそうです。
「瑞穂さん曰く画面ロックはかけていたというのですが、どうやら向こうはその道のプロらしく、Android端末専用のロック解除ツールを使用していたらしいのです。おまけに、瑞穂さんは“デバイスを探す”という機能をオフにしていたそうなんです。だからGPS追跡もできず、警察への通報も考えたのですが、大事になってその場の雰囲気を壊すのもどうかと思ったので、犯人の要求に従いました」
日付が変わる頃、俊介さんのスマートフォンに盗まれた瑞穂さんのスマートフォンからLINEで位置情報が送られて来ました。夜遅くということもあって、俊介さんは同僚の男子一人と一緒にその場所へ向かったそうです。
「1万円なら仕方ないかと思って払ったんですが、よくよく考えるとちゃんとスマートフォンが返ってくる保証もないなと不安になってしまったり……まあ、連絡が来たので行ってみるしかないですよね。さすがに女性は危ないかなと思って、同僚の男の子に手伝ってもらいましたけど……深く聞かずに付き合ってくれて助かりました」
やっぱりiPhone?
その後、20分ほど山道を走った先にある郵便局のポストの上にスマートフォンが置いてあったそうです。俊介さんはスマートフォンをハンカチで丁寧に持って行ったビニール袋に入れて持ち帰ったと言います。
同僚の男子には、帰路の山道で一部始終を話し、翌日解散してから瑞穂さんを連れて最寄りの警察署に被害届を出したとのことです。その帰り、瑞穂さんは俊介さんからのアドバイスもあり、Apple ストアでiPhoneを購入したと言います。
「セキュリティ面ではやはりiPhoneに軍配が上がりますね。瑞穂さんも今回の件で痛感したと言っていました。いやあ、本来は日頃の疲れを癒すためのレジャーだったのに、精神的にも肉体的にもヘトヘトになりましたよ。でも、人的被害などがなくてホッとしています」
もう誰に起こっても不思議ではない、スマートフォンを使用した被害。みなさんもセキュリティ対策だけはしっかりとしてくださいね!
<文/ベルクちゃん>