世界一“星”の多い東京。知られざる「ミシュランガイド」調査員の実態から上陸15年間の変遷まで担当に聞く
グルメ通がうなる隠れた名店、誰もが知る有名店、新進気鋭の話題店など、街中にはさまざまな飲食店が軒を連ねている。飲食店は、日々の生活に欠かすことのできないものになっているわけだが、世界的な美食ガイドとして知られているのが「ミシュランガイド」だ。
フランスの大手タイヤメーカー「MICHELIN」(ミシュラン)が発行する同ガイドは、美食の冒険へと誘い、新たな食や旅の魅力を発見する案内本として、世界37カ国で展開されている。
アジア初の進出として、2008年に東京へ上陸し、現在は京都・大阪とともに毎年ミシュランガイドを発表。星を獲得した飲食店やビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)のお店に注目が集まっている。
日本ミシュランタイヤ株式会社 ミシュランガイド事業部 執行役員の本城征二氏に、ミシュランガイドが美食ガイドとして確固たる地位を築けた理由や、東京が世界に冠たる“美食都市”として知られる所以について話を伺った。
「料理の評価」に特化した選定基準は当時から変わらない
ミシュランガイドの成り立ちは1900年にまで遡る。
アンドレとエドワールのミシュラン兄弟は、タイヤがパンクしても容易に修理できる自動車用の「空気入りタイヤ」を考案。
「自動車の利用を促し、ドライブでの移動を快適にすれば、ミシュランの名も認知される」
そう信じた2人は、空気入りタイヤとともに、“ドライバーの相棒”となる実用性に優れたガイドブックをタイヤの購入者に無料配布したのだ。