「昭和のおっさん全開乙でもいい!」タイパを求める人間が退化するワケ<伊藤羊一×池田紀行>
1990年代中盤以降に生まれた「Z世代」の間では、いわゆる「タイパ」を過剰に求める傾向にあるようだ。タイパとはタイムパフォーマンスの略。コストパフォーマンスが「費用対効果」であるのに対し、タイムパフォーマンスは「時間対効果」だ。短い時間でより大きな結果や満足度を得ようとする考えである。
だが、「一流のビジネスパーソン」を目指すうえで「タイパ」という考えなど論外であると切り捨てるのは、ベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)の著者である伊藤羊一氏と、『自分を育てる「働き方」ノート』(WAVE出版)著者の池田紀行氏だ。
日本興業銀行、プラスを経て2015年からヤフー、現在はZホールディングスの企業内大学であるZアカデミア学長や武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長としてリーダーを育成する伊藤氏と、大手企業向けマーケティング支援をする株式会社トライバルメディアハウス代表の池田氏。この両者が強調する「タイパ不要論」とは?
近しい思想の似た者同士が集結!?
池田紀行(以下、池田):伊藤さんの著書は何冊も拝読していて、自分と近しい思想を持った方だと思ってはいたのですが、「Zアカデミアの学長」と聞くとやはり近寄りがたいところがありました。
伊藤羊一(以下、伊藤):見た目が怖いとはよく言われます(笑)。今、メインでやっているのは武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長で、2021年に開校し、ちょうど2年目が終わるところですね。それと、池田さんがおっしゃったZホールディングス(ヤフー、LINE、ZOZO、アスクル、一休、PayPayなどが集まる)の企業内大学「Zアカデミア」の学長ですね。
私がヤフーに入社したのが2015年なのですが、そのときから始まったもので8年目に突入しています。あとは「Voicy」というインターネットラジオのパーソナリティをしたり、本を書いたり、いまは三鷹にインキュベーションスペースを作ろうとしています。50代になって、また一段と人生が盛り上がってきたように思っています。
「50歳になった今が一番元気」
池田:やっぱり中高年がこういうことを言っていないといけませんね(笑)。僕もこの前50歳になったのですが、伊藤さんと同じで今が一番元気だと思います。僕はトライバルメディアハウスというマーケティング会社を経営しています。
2007年の「Web2.0」のとき、当時テレビCMの効果が少しずつ弱り始め、インターネットやSNSの波が来て、企業の人たちがみんな「おおわらわ」になった時代に創業しました。
大手企業の宣伝部マーケティング広報部に支援に入り、デジタルマーケティングとかソーシャルメディア活用とかPRとか、いいものをより売れるようにするという仕事をしています。