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年収186億円!「カタールW杯得点王」エムバペの“恐るべき幼少期のエピソード”

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 FIFAワールドカップカタール大会の決勝(フランスVSアルゼンチン)が2022年12月18日に行われ、アルゼンチン代表が見事優勝を果たした。その試合でハットトリックを決めたのが、「怪物」の異名で知られ、得点王に輝いたフランス代表FWキリアン・エムバペだ。

エムバペ

得点王の表彰を受けたキリアン・エムバペ(代表撮影:雑誌協会)

 2022年の世界のサッカー選手長者番付(米経済誌『フォーブス』発表)では1億2800万ドル(約186億円)で初の1位に輝いたエムバペ。アルゼンチン代表メッシ、ポルトガル代表C・ロナウドといったスーパースターが年齢的に一線を退き始めている今、いまだ24歳ながら、新世代のスターになろうとする男だ。

 2018年ロシア大会で世界に衝撃を与えた直後に出版され、現在は稀少本となった一冊『エムバペ 19歳で世界を獲った男』(ルーカ・カイオーリ、シリル・コロ/著、タカ大丸/訳)では、幼いころのエムバぺが「神童」であったエピソードが記されている(以下、同書を一部編集のうえ抜粋)。

衝撃を与えた5歳児の特別な才能

 幼いキリアン・エムバペはどうだったのか?

あれほどの輝きを持つ選手が出てくるのは、我々のようなクラブの歴史においてもせいぜい30年か40年かに一人出るのがやっとだから、昔からよく話題にのぼっていたよ。ピッチ内外での生活態度について子供たちに諭すときには、いつも手本とさせてもらっている。ここの人間は全員キリアンを誇りに思っている。なぜかって? ここでフットボール選手になって、9年間もいてくれたからさ」(アトマーヌ・アイルーシュ。地元サッカークラブ「ASボンディ」会長)

 すると、アイルーシュは、手を大きく振ってスタジアムの壁の向こうにあるリラ通りの白い建物を示した。

スポンジのように何事もすぐに学び取った

エムバペ

ルーカ・カイオーリ、シリル・コロ/著、タカ大丸/訳『エムバペ 19歳で世界を獲った男』(扶桑社)

「あいつはあそこに住んでいたよ。そして、ここが通っていた幼稚園さ。U―11からU―17までを指導していたお父さんと一緒に、毎日来ていたな。キリアンはまだ3歳か4歳だったはずだが、クラブのかわいらしいマスコットになっていたね。ボールを抱えては更衣室に入り込み、黙ったまま部屋の隅に座って、試合前に監督が出す指示にじっと聞き入っていたんだ。

 あんなふうに人の会話をずっと聞いている幼児は珍しいよ。しかも内容は質量ともに豊富で、難しい技術的な議論や戦術の講義だからね。キリアンはスポンジのように何事もすぐに学び取って、普通の人ならもっと年を重ねてから学ぶであろうフットボールの概念を、いち早く自分のものにしていたんだ」

 この幼いマスコット君は、どうしてもASボンディに入りたいと父ウィルフリードにせがんだ。もっと年上の子供たちと遊びたかったのだ。だが、父親はまだ時期尚早と考え、それに息子をきちんと指導するには近すぎると感じていた。

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