毎日暴言を吐く上司にウンザリ。ブチ切れた部下が総務に証拠を提出して…
いじめ同様、これだけ大きな社会問題としてメディアで取り上げられながらも被害者が減らないパワハラ。「注意との線引きが難しい」との声も聞きますが、なかには誰の目から見てもパワハラとしか思えないケースもあります。
厚生労働省は「上司が部下に対して、人格を否定するような発言」は、6つに分類されるパワハラのひとつ「精神的な攻撃」に該当すると定義。
その中で「馬鹿」や「役立たず」「給料泥棒」といった暴言、大勢の前での叱責、十分な指導をせずに放置、人格否定発言で叱責、ため息をつく・物を机に叩きつけるなどの威圧的態度を具体例として挙げています。
付き合いの悪い部下を敵認定?
「以前働いていた某メーカーの支社で上司だった課長は、ここに当てはまることをほぼやっていた典型的なパワハラ人間。派遣社員だった私が直接被害に遭うことはなかったですが、同じ部署にいたNさんという3歳年上の男性社員がターゲットにされていました」
そう証言するのは、現在は食品メーカーで派遣社員として働く町田加奈さん(仮名・30歳)。問題のパワハラ課長は当時40代後半。本社へ異動となった前任者の代わりに赴任し、彼女が一緒に働いていたのは1年だけですが、職場の雰囲気は最悪だったといいます。
「課長は体育会系のノリの人で、普段から仕事終わりに部下を誘って飲みに行くような人でしたが、Nさんは仕事とプライベートをきっちり分けたいタイプ。お酒があまり得意でないたこともあり、最初の歓迎会以外は誘われても断っていました。でも、課長はこれが気に入らなかったみたい。Nさんも愛想がいいわけではなかったため、“気に入らない部下”と判断されてしまったんです」
次第に怒声交じりの大声になり…
とはいえ、Nさんは決して無能なんかではなく、むしろ仕事ぶりは部類。営業成績がずば抜けて高いわけではなかったですが常に安定しており、契約後のアフターケアも怠らずクライアントからの評判は高かったそうです。
「ただし、課長は新規の契約本数や売上高を重視する考えの持ち主。それならしっかり説明なり話し合いをすればよかったのに『もっと契約を取ってこい!』とプレッシャーをかけるだけで、平均レベルの契約本数を取ってきても『お前は仕事に手を抜いてる』とダメ出し。
しかし、Nさんは普段からポーカーフェイスで叱責を受けている最中も表情をあまり変えず、課長は一方的にイラだっている感じでした。それで次第に怒声交じりの大声になり、『お前みたいなチームの輪を乱すヤツがいると迷惑なんだよ!』『仕事を舐めてるんじゃないか? もっと死ぬ気やれ!』なんて言葉を浴びせられてました」