東京は高ストレスで、地方は低ストレスは真実か?地方で働くことのリアル
「日本人は生産性が低い」。昨今、こんな言葉をよく耳にするようになりました。まるで個々の働き手の責任のようにも感じられますが、生産性の高低は、必ずしも私たち個人の責任ではなく、時代、景気、環境、職場、人間関係……自分の頑張り以外のさまざまな要因が絡み合っています。
これまで400以上の企業・行政機関に携わってきたワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまね氏は、「生産性も働きがいも、仕事は職場が9割」と言います。むやみに自分を責めたりネガティブになる必要はまったくないそうです。今回は沢渡氏の著書『仕事は職場が9割 働くことがラクになる20のヒント』から、一部抜粋・編集してご紹介します。
「東京vs地方」からの卒業
Q:なんだかんだ言っても、東京で働くのがいいと思いますか?
A▼仕事の種類も賃金水準も高いので、東京がいい。
B▼東京は疲れるので、地方でのんびりしたい。
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私は静岡県浜松市を拠点に活動しています。ですから、地方都市の現実をお伝えしておきたいと思います。テレワークが普及し、地方都市からでもチャンスが広がりました。
地方の方が生活コストが低いのか?
「物価の高い東京から離れて自然の中でのんびり働こう」「満員電車ともおさらば!」「地方にこそ伸び代があるんじゃないか」。東京で働きながら、そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。これは半分は当たっていて、半分は間違っています。
まず、「地方の方が生活コストが低い」点について。地方は賃金水準が東京より低いけれど、それでも生活コストが低いのでトントンと思い込まれがちです。
しかし、地方特有のコストも存在します。町内会などの地域の行事への参加、買い物に行くにも車を出さなければいけない、家事代行などの効率化に役立つサービスが手薄い等々。総合的に時間や手間を考えると、地方は地方で、意外とコストが高いのです。
ですから、「生活コストの低い地方だから、収益性の低い仕事でも大丈夫」と考えるのは間違いです。