結婚したらチーム追放…世界のサッカークラブで「最も熱いライバル関係」は
FIFAワールドカップカタール2022(カタールW杯)が、11月21日ついに開幕した。日本代表はドイツ、コスタリカ、スペインと同じグループEに所属しており初戦のドイツ戦では2-1の逆転勝利、27日の第2戦でコスタリカと対戦する。
ブエノスアイレス生まれのサッカー・ジャーナリストであるルチアーノ・ウェルニッケ氏の著書『サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?』(訳・桑田健)が話題だ。
競技の歴史から信じられないような珍事まで網羅した同書は、南米、欧州、中東、北米、アジア……世界中で読まれている。今回の記事では、「69:世界で最も熱いライバル関係?」「75:最も多くの選手がレッドカードを受けた試合は?」の項を紹介する(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。
69:世界で最も熱いライバル関係?
権威あるイギリスの雑誌『フォーフォーツー』の記事によると、世界のサッカー界で最も激しいダービーマッチは、アルゼンチンの強豪リーベル・プレートとボカ・ジュニアーズの「スペールクラシコ」だという。同じ国のふたつのクラブによる世界で最も熱い50の顔合わせを分析したその記事では上位10組まであげられている。
2位以下はレアル・マドリードとバルセロナ(スペイン)、セルティックとレンジャーズ(スコットランド)、ナシオナルとペニャロール(ウルグアイ)、ローマとラツィオ(イタリア)、フェネルバフチェとガラタサライ(トルコ)、リヴァプールとマンチェスター(イングランド)、グレミオとインテルナシオナル(ブラジル)、ボルシア・ドルトムントとシャルケ04(ドイツ)、アル・アハリとザマレク(エジプト)となっている。
順位はチームの人気、ファン同士の争いの歴史、選手間の事件に基づいて作成された。このイギリスの雑誌が選出した50組にはある特別な組み合わせが抜けている。その関係に遺恨と嫌悪しかないドイツのふたつのクラブで、2022年~2023年のシーズンをブンデスリーガの2部で迎えるFCニュルンベルクとシュピールフェアアイニグング・グロイター・フュルト(通称グロイター・フュルト)だ。
ニュルンベルクとグロイター・フュルト
ニュルンベルクの本拠地マックス・モーロック・スタジアムと、グロイター・フュルトのシュポルトパルク・ロンホフは10キロしか離れておらず、互いに公言している相手に対する嫌悪感は身の毛もよだつほどだ。
1924年4月21日、オランダとの親善試合のためアムステルダムに向かったドイツチームは、ニュルンベルク(その年のドイツサッカー選手権に優勝)とグロイター・フュルト(前のシーズンのサウスリーグ優勝チーム)の選手だけで構成されていた。
両クラブの選手間の関係は非常に悪かったため、列車での移動の際に赤と黒を基調とするユニフォームのニュルンベルクの5選手(ハイナー・ストゥルファウス、アントン・クグラー、ハンス・カルブ、ハンス・シュミット、ハインリッヒ・トレッグ)は、緑のユニフォームのグロイター・フュルトの6選手(ヨーゼフ・ミュラー、ハンス・ハーゲン、カール・アウアー、アンドレアス・フランツ、レオンハルト・サイデラー、ウィリー・アシェール)とは別の車両を使用した。