“日本一小さな村役場”で壮絶なパワハラ、「加害者は複数名いる」実態と対策方法
「日本一小さな村」の役場がパワハラ問題で揺れている。富山県中新川郡舟橋村の人口は1990年から30年の間に1400人から3000人に倍増。子育てを支援し、富山市のベッドタウンとして発展した。
しかしそんな画期的な村の役場で、10年以上にわたる執拗なパワハラが行われていたことが各社メディアで報道されている。調査報告書によると、たった30人の役場職員のうち10名がパワハラ被害に遭っており、この2年の間に4名が退職した。役場内ではパワハラが常態化しており、加害者は複数名いるという。また小さい村ゆえ、親族が村議を務める職員もいる。そしてその職員はパワハラの加害者だ。
小さい職場はパワハラが起こりやすい
「加害者は親が議員になってから、パワハラをするようになりました。またその議員は、息子によるパワハラ被害者に対して『退職の理由は別の上司からのパワハラだろう?』と聞いたとか。息子のパワハラは第三者報告書に載っているように周知の事実でした。息子の不祥事を他人のせいにしようとしたのでしょうか。もうひとり、やはり親族が村議を務める職員がいますが、彼もパワハラやセクハラの加害者です」
と語るのは役場関係者だ。権力を盾にしたパワハラが横行している。
産業カウンセラーの佐久間寿美江さんは、「そもそもお役所は保守的な考えになりやすいところ。昭和の価値観が根強く残っていても不思議ではない。また小さい職場だとより関係性が固定化しやすいためパワハラが起こりやすい」と言う。
村長は「アットホームな職場だと思っていた」
パワハラ報道の際に村長が「アットホームな職場だと思っていた」と発言していることからも、ことの重大さが飲み込めていない様子がうかがえる。舟橋村の場合はそれだけではなく、急激な人口増加により、どんどん村が変わっていき既得権益が失われていくことを一部の旧住民は不快に思い、地方創生担当者やその賛同者に対して執拗なパワハラが行われてきた。
2017年には懇親会の会場で暴行事件があり、警察介入事案となった。このときの被害者は、報道のきっかけとなったパワハラ加害者だ。つまりこの職員は、もともと他の職員によるパワハラ被害者だった。舟橋村役場ではこの暴力行為だけではなく、職員を怒鳴りつける、職員の家に深夜押しかけるなどの精神的なパワハラやプライバシーの侵害も日常的に行われてきた。