KPIの意味、ちゃんと理解してる?“今さら聞けない”指標を初歩から解説
今や、ビジネス現場で定着した感のある「KPI」(Key Performance Indicator)。これは、いわゆる「目標達成度を測るためのプロセスないし結果の指標」です。
KPIが支持されているのは「全社員が経営目標を共有して業績回復に努める」点にあると指摘するのがマネジメントコンサルタントの堀内智彦氏。しかし、実際の企業現場では誤った指標が採用されていることが多いとのこと。
今回の記事では、KPIとそれに関連する用語の解釈について、堀内氏の著書『新版2時間でわかる図解KPIマネジメント入門』(あさ出版)より紹介します。
KPIとKGI。似て非なる指標をひも解く
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」を意味します。KPIに関連して、「KGI(Key Goal Indicator)」という「重要目標達成指標」をあらわす言葉があります。
両者の関係を整理すると、設定した経営目標に対して、どのような過程を通過すれば達成可能かを洗い出し、その過程をクリアできているか数値で計測するのがKPIです。KGIは、「Goal」という言葉が入っているように、経営の最終目標が達成されているかを計測するための指標です。
つまり、「KGIに到達するための過程としてKPIが設定される」のです。
「株主・投資家目線」と「経営者・経営管理者目線」
KGIは、経営の最終目標として位置づけられているため、投下資本対利益率である「ROE(Return on Equity)」を見ることで、把握することができます。ROEは「獲得利益/投下資本」で求められます。
一方で、KPIは、もともとは大企業の独立資本単位(事業部)における業績評価手法として定義されていたものでした。そのため、KGI同様に、その事業部のために投下した資本と、その事業部において各期に回収される獲得利益との費用対効果を測るROEが、KPIの指標として有効でした。
しかし、KPIを「経営改善プロセス」において経営者が必要とするマネジメントの指標ととらえると、ROEを指標とするのは無理があります。ROEは、投資家(株主)から見た事業の評価、すなわち「結果」という意味合いが強いからです。
すなわち、KGIは「ROE=株主・投資家から見た結果目標」、KPIは「経営者・経営管理者から見た結果及びプロセス目標」と位置づけることができます。