仕事に自信がない、同じミスを繰り返す…悩みのプロが教える「不安の紛らわせ方」
「一度怒りを感じると、気持ちを抑えられず、我を忘れてしまう」「人前に出ると緊張してしまって、何も言葉が出なくなってしまう」。ネガティブな感情に引きずられて、このような後味の悪い経験をしたことがある人は決して少なくありません。
イヤな気持ちを忘れる、無視する、なかったことにする、無理やりポジティブな気持ちになる……このような対処法は実は逆効果。産業カウンセラーとして長年さまざまなビジネスパーソンの悩みを聞いてきた一般社団法人日本メンタルアップ支援機構・代表理事の大野萌子さん(@moeko_oono)は、ネガティブな感情は、扱い方次第で、あなたの人生における強力な武器といいます。
大野さんの著書『1ステップで気分があがる↑ 気持ちのきりかえ事典』より、「不安の紛らわせ方」を紹介します(以下、同書より編集の上、抜粋)。
Case1:仕事がうまくいくか自信がないとき
仕事をしていると、完成に近づけば近づくほど「本当にこれで大丈夫だろうか?」という不安が募っていくもの。しかし、よく考えてみると、これらの不安は「いま、なにも起こっていない状態」から生まれていることが非常に多いのです。
ここで「不安」と「恐怖」の違いについて説明します。
恐怖は、常に恐怖を与える明確な対象が存在します。だから、恐怖に対しては対処がしやすいのが特徴です。対する不安は、明確な対象が存在しない感情です。
A:スケジュールを前倒しして、とにかく仕事に手をつけておく!
怖い上司や自宅で遭遇するゴキブリなど、具体的な対象に恐怖を抱くのであれば、「上司に怒られないために、先手を打って報告」「掃除と定期的な防虫剤の入れかえ、いざ遭遇したとき用の強力な殺虫スプレーの用意」など、具体的な対策を取ることが可能です。
けれども、不安は、兆候や予兆がないものに対して抱く、漠然とした感情です。まだ起こっていないのに「地震が来たらどうしよう」と必要以上に天災の心配をしたり、健康体なのに「病気になったらどうしよう」と想像してモヤモヤしたりするのは、まさに不安特有のものです。
こうした「起こっていないこと」に不安を抱き、行動にブレーキをかけてしまう人は決して少なくありません。しかし、それは非常にもったいないことです。