寄附金を14億円まで増やした「日本一バズる公務員」が教える、SNS運用のコツ
年間200万円しかなかった高知県須崎市のふるさと納税の寄附額をわずが4年で14億円まで増やした公務員がいる。地域創生請負人とも呼べる男こそ、守時健氏だ。
独自のマーケティング戦略で数々の成功を収め、初書籍『日本一バズる公務員』を上梓した彼が、地方創生と向き合ったとき、まず真っ先に仕かけたのが「ゆるキャラ」だった。そのゆるキャラを使った戦略について、今回語ってもらった。
しんじょう君はブログで独自の世界観を確立
ゆるキャラによるSNS活用で最も重要なのは、「独自の世界観を持つ」ことです。背骨となる世界観があやふやでは、情報発信力が弱まります。
たとえば、しんじょう君のブログの場合、ゆるキャラのブログといえば日記形式が一般的なところ、ネタ重視・オチ重視のストーリー仕立てとなっています。須崎市を背負って立つゆるキャラとして、地域の魅力や特産品をたくさん紹介するぞ!ということ以上に、どうやったら笑ってもらえるのか=興味を持ってもらえるのか ということばかりを考えて、アホな企画を立て続けています。
ブログの企画会議では、席に着くなり、「よっしゃ、今日はしんじょう君を砂浜に埋めるぞ!」「わかりました!(え、マジなのかな……)」。またあるときは「今回は逆に人間を埋めるぞ!」「わかりました!(人間を埋めたら逮捕される法律あったよね……?)」といった具合で、ブログをおもしろくするために、しんじょう君をどう料理するか、ということばかりを考えています。
ネタをつくってバズらせるのは得意だった
理由は単純に「それが一番得意だから」。学生時代から嗜んできた『2ちゃんねる』や『mixi』の影響で、ネタをつくって記事化しバズらせるのは割と得意なほうでした。SNSで真面目に振る舞って「この人は頭がいいんだな」と思われたい人もいるし、「私、すごいでしょ!」と自慢したいだけの人もいます。
私は「自分の世界観をみんなと共有したい」タイプの人間で、たまたま多くの人に受け入れてもらえたために、しんじょう君のブログでも同様にその世界観を表現することにしました。結果、しんじょう君と私の奇妙な世界が果てしなく続く亜空間を発生させてしまうことになるのですが、「企画がおもしろい」とか「シュールな内容がクセになる」などみなさんからお褒めの言葉をもらうようになりました。
でも、別にブログが上手に書けないとバズれない、という話ではありません。漫画でも映像でも音楽でもなんでもいいので、自分の得意分野でSNSの世界観を確立することができれば、多くの人をひきつける強力な武器として育つはずです。