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「転職回数が多いと不採用に?」転職を繰り返す27歳“敏腕”営業マンの悩み

学び

 転職をしたいのだが、すでに何回も繰り返してきた。だが、また転職がしたくなった。「転職回数が多いと、採用試験で不利になるのか否か……」そんな迷いを持つ人がいる。

仕事

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は実際に起きた事例をもとに、転職回数について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で人事コンサルタントによる解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したことをあらかじめ断っておきたい。

【事例】「転職が多いと不利?」営業マンの悩み

 現在、転職を考えている田口弘一(仮名・27歳)。今の会社が、3社目だ。5年前に有名私立大学を卒業し、新卒で入社した信用金庫は2年在籍した。支店で主に営業にかかわり、成績は同世代で群を抜いていた。

 その後、社員数300人程の精密機器メーカーに転職。営業に携わり、同世代でいち早く主任になった。在籍期間は2年。さらに社員数1200人のメガバンクのグループ会社に転職。営業部に1年在籍。27歳でありながら、営業企画の主任に抜擢された。成績は、同世代で上位数パーセントに入る。

 だが、このまま進んでいくのが、本当に望むキャリアなのか、迷っている。転職はすでに3回。今度は、4社目となる。「こんなに回数が多いと、不採用かな……」。

書類選考でパスするのは何回までか

久保博子

人事コンサルタントの久保博子さん

 人事コンサルタントとして活躍し、社内の人事総務部長を務める人事コンサルティング会社・トランストラクチャの久保博子さんに取材を試みた。

 久保さんは「今回のケースは転職回数が27歳で3回、仮に今度、転職しようとすると4社目になるので、確かに多いとは思います。ただ、ポテンシャル(潜在的な能力)は高いと思えるので、書類選考はパスするかもしれません」と話す。

「通常は転職回数が多いと、うちの会社に入社をしても辞めてしまうと思われやすく、書類選考や面接で不採用になる傾向はあります。過去に勤務した会社の在籍期間が1年以内だと、短すぎるために不採用になる傾向が強いです

 業界、職種、会社の規模や経営状態、配属予定部署などの状況により異なるために、基準のようなものは存在しません。ただし、目安はあって、30代前半で受験する会社が4社目になっていると、多いという印象を与える可能性が高いです。

 20代の転職は実績を積む前の段階であるので、その人のポテンシャル(潜在的な能力)を重視するケースが多く、それでも、エントリーする会社が3社目になると回数が多いという印象を与え、不採用となる場合が少なからずあります」

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