<漫画>“ネガティブ報道”に切り込むコメンテーターが話題。常識を覆す「風刺漫画」とは
今やホラー漫画のジャンルとして確立された“ショートホラー”の先駆者であり、不安煽りやネガティブ報道、ノーギャラ取材など世の中の欺瞞(ぎまん)にスパッと切りこむ風刺漫画『反逆コメンテーターエンドウさん』などを手掛ける、漫画家の洋介犬さん(@yohsuken)。
キャリア25年を越えた現在も6本もの連載を抱え、さらには自身のTwitterで作品を投稿すると、当たり前のように数百から数千件の「いいね!」が付く、実力と人気を兼ね備えた売れっ子漫画家だ。
そんな洋介犬さんに、リモート取材を敢行。18歳でデビューして以来、ギャグ、ホラー、社会風刺と新たなジャンルに挑戦しながら、話題作を次々と生み出すその創作の秘訣について大いに語ってもらった。インタビューと共に、『反逆コメンテーターエンドウさん』に加え、社会風刺色の強い4コマ作品を紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。
【マンガ】⇒『反逆コメンテーターエンドウさん』を読む
バイトに明け暮れた4コマ漫画家時代
――18歳で漫画賞を受賞されたということは、学生時代から漫画を描かれていたのですか?
洋介犬:高校を出たら、本格的に漫画家として食っていこうと思っていたので、すでに何かしらの漫画は描いていましたから。
――ちなみに、その時はどのような賞を受賞されたのですか?
洋介犬:高校在学中に、漫画雑誌の『ビッグコミックスピリッツ』の新人賞が最初で、卒業してすぐに『まんがライフ』などを発行していた竹書房が主宰する、新人賞もいただきました。そっちは月間賞みたいなもので、年に12名が賞をもらうような。
――短い期間で2つの賞をもらえるなんて、すばらしいですね!
洋介犬:というより、小学館の賞をもらっても、なんだか箸にも棒にもかからない状態だったので竹書房にも出したんですが、それと平行してやっていました。そういえば、ある出版社の編集者さんに作品を見せたら「もっとがんばんないとね~」みたいな反応で、ちょっと落ち込んだりしましたね。
「オトナ向け雑誌」で連載デビューした
――では、漫画家一本で生活するには時間が掛かったのですか?
洋介犬:マスコミ系専門学校で2年間勉強した後に、ゲームセンターでバイトをしながら描いてました。数年ぐらい、バイトが終わったら漫画を描いてみたいな生活で、作品を持ち込んで掲載してもらっても、なかなか食えないなって思っていました。
それで、別に秘密でもないんですけど、食うためにというか、プロの漫画家として生活をしていくために、オトナ向け雑誌の漫画賞に4コマ漫画を送ったら、うまく通って、そこで初めて連載を獲得したんです。
――初めての連載はオトナ向け雑誌の中の4コマ漫画だったのですね。そういったメディアに作品を掲載する抵抗はなかったのですか?
洋介犬:メディアはオトナ向けですけど、僕が描いているのは、あんまりエッチじゃない、フェチをギャグにしたような漫画ですからね(笑)。それと、憧れだった漫画家のいがらしみきお先生もオトナ向けメディアに連載されていた時期もあったので、「いがらし先生の人生を、不器用ながらも追えているなぁ」みたいな気持ちもありましたよ。