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兄だけを溺愛する両親と決別。“出来の悪い次男”がとった「最終手段」

コラム

 本来、親にとって子供は何人いようとも等しく愛情を注ぐべき存在。でも、そうしなければいけないとわかっていても比べてしまうもの。なかには兄弟に優劣をつけ、片方の子ばかりを可愛がってしまうケースもあります。

親子

画像はイメージです(以下同じ)

両親は兄だけを可愛がっていた

「ウチは2人兄弟なのですが、1つ年上の兄は本当に成績優秀で小学生のころから塾の全国模試で上位に入ることもあったほど。私も悪いほうじゃなかったけど、所詮はクラス上位レベルなので比較にもなりません。両親は兄のことは本当に喜んでいただけど、自分のことは基本的に放置。親にとって1番は兄で、自分は必要とされていない子なんだと思っていました」

 親との関係についてそう話すのは、会社員の新開裕人さん(仮名・29歳)。兄は中高と名門私立で大学も都内の難関私大。特に裕福でもないのに両親は溺愛していたため、お金を惜しまなかったとか。

 しかし、弟の彼はそのせいで高校まで公立。さらに大学進学を希望していたのに「学費は出せない」と言われてしまい、貸与奨学金とアルバイトで稼いだお金で国立大に通っていたそうです

「兄は私と違って愛想もよかったし、親にとっては自慢の息子でした。まあ、私のことをいつも見下してくるし、自分にとっては最悪の兄貴でしたけどね。私も親に認められたくて中学時代は部活に打ち込み、陸上の県大会で入賞したこともありましたが応援に来てくれたこともありません。賞状を家に持ち帰っても母は抑揚のない口調で『そう、よかったわね』と言うだけ。そんな親でも大学の学費くらいは出してくれると思っていたから、『学費は出せない』と言われて絶望したし、距離を置く覚悟ができたんです」

実家から「仕送りしろ!」との命令が

毒親

 高校卒業と同時に家を出て、新開さんは大学時代はボロボロの安アパートで生活。バイトの掛け持ちをしながら大学に通うのは大変だったものの、親と関わらなくていいので彼にとっては気楽だったようです。その後、BtoB系機械メーカーに就職。業界内では大手でも一般知名度が低かったため、企業名を教えても知らなかった両親からは「三流企業」扱いされたといいます。

「予想通りの反応でしたけどね。兄がその年、誰もが知っている超有名企業に就職したため、“出来の悪い次男”という親からの評価は変わらなかったんです」

 ところが、いざ働き始めると両親から仕送りの要請メールが届くように。電話をすると、母親から「毎月5万円でいいから振り込みなさい。いいわね」と命じられます。

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