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50万円の月収が半分以下に。営業職のバリキャリ女子が28歳で「今の仕事」を選んだワケ

コラム

 長きにわたる経済停滞、増税と社会保険料の増額、コロナ休業での雇用不安……生活に苦労を抱える若者は少なくありません。そこで、「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「月収10万…若者貧困のリアル」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2020年11月04日、情報は掲載当時のものです)。

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 仕事を選ぶ基準は人それぞれです。職種で選ぶ人、給料で選ぶ人、社長や上司の人柄で決める人。また、結婚していると、配偶者の意見も聞かなければならない場合もあるでしょう。

面接 就活

画像はイメージです(以下同じ)

 整骨院の受付をしている野村愛さん(仮名・28歳)は「旦那の機嫌を取るために今の仕事を選びました」といいます。いわゆる「貧困問題」とは事情が異なりますが、そこには、若い世代が抱える働き方のリアルが潜んでいました。

旦那の半分くらい稼げれば…

今の職場はシフト制で週5勤務で15万円。主に受付と雑務をしてます。勤務してから1年経ち、特に仕事にやりがいは感じませんが、ストレスもなく平和な毎日です」

 結婚前はバリバリの営業職だった愛さん。1年前に寿退職しましたが、本当は前職を辞めたくはなかったといいます。彼女が今の仕事を選んだ理由は何だったんでしょうか?

「自宅から徒歩圏内で残業もない、というのも魅力でしたが、何より給料が20万円以下だったのが良かった。実はうちの旦那、すごくプライドが高いんです。自分の嫁がバリバリ働いてるのとかは嫌なタイプ。旦那と同等の給料や、それ以上稼ぐなんてもってのほか。旦那が月収30万円前後なんで、私は半分の15万円稼ぐくらいがちょうど良いんです

 愛さんは前職の営業で、インセンティブなども入れると「多い月は50万円くらいもらっていた」とか。妻が高級取りならリッチな生活ができるのに、いまだに「自分より妻の稼ぎが多いのは嫌」なんて古い男性がいるんですね……。

古風な旦那の意向で退職

夫婦

 プロポーズをされたときに「結婚して家庭に入って欲しい」と言われた愛さん。最初は「子供ができるまでは今まで通り働きたい」と懇願しましたが、夫は首を縦にふらなかったそうです。

「考えが古いタイプなんですよ。共働き=旦那の稼ぎが悪いと周りに思われるって思考なんです。今どき珍しいですよね。それに付き合ってる時は私のほうが忙しくて、デートに大幅に遅刻したり、ドタキャンしてしまったりしたことがものすごく嫌だったみたいで、できるだけ家にいてほしいらしいんです」

 さすがに専業主婦は暇すぎると訴え、今の仕事をはじめたとか。
「旦那の給料も悪くないけど、これから子供が生まれたらもっとお金がかかるだろうし、いつかはマイホームも欲しいからって大分お願いしたんです。空気を読んで、旦那が機嫌を悪くしないような仕事を選びました」

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