デート中に入った食堂で彼女がトラウマに!嘔吐で奪われた“唯一の趣味”
トラウマ級の体験が原因で、これまで大好きだったものや場所が苦手になることもあるようです。その場合、なかなかもとの状態に戻ることは難しいかもしれません。
新型コロナが世界に広まるより前、老舗食堂など、とにかく古い飲食店をまわるのが趣味だった高嶺孝昌さん(仮名・当時27歳)。彼女のY美さん(当時25歳)も古民家カフェなどが好きで、お互い行きたい飲食店を選んで交互にまわっていました。
古民家カフェを巡るのが好き
「Y美は、囲炉裏があったり白壁が特徴的だったりする古民家を巡るのが好き。僕は、壁にヒビが入っているような古い建物に、年季の入ったのれんがかかった老舗食堂を見るとゾクゾクします。嫌がる女性も多いなか、Y美はいつもいっしょに楽しんでくれていました」
いつもは、雑誌やネットの情報をもとに老舗食堂や古民家カフェを巡っていた高嶺さんですが、冒険をしてみたくなります。そしてついに、デート中にノーリサーチで、しかも直感で見かけた飲食店に入ってみようという話になったのです。
「少し遠くまで車でドライブし、古民家カフェでランチを食べて歴史資料館をまわりました。そしてデートの〆に、僕の好きそうな雰囲気の老舗食堂を探して入店。ヒビの入った壁には古びた振り子時計、映りの悪い分厚いテレビ、すべてが理想そのものでした」
理想的すぎる店内にワクワク
薄暗く少しカビ臭い店内には、常連客の貫禄を醸し出した作業着の男性客が1人、慣れた様子で新聞を読んでいます。店主の姿は見えないけれど、店の奥からは「いらっしゃい」という野太いオバちゃんの声。理想すぎる店内の様子に、高嶺さんのワクワクは止まりません。
「けれど、この老舗食堂でショッキングな事件は起こったのです。食堂には半透明のプラスチック棚があり、おかずやおにぎりなどが置かれていてセルフで取るタイプ。ラップされていない商品もありましたが、これまでの老舗食堂巡りの経験もあって気にしていませんでした」
臆せず好きなものを選んでトレーに入れた高嶺さんでしたが、「この棚、何だかホコリっぽくて嫌だな」と、Y美さんはつぶやきます。ラップした商品ばかりを取って席に着いたY美さんは、席に座るなり顔をしかめたのだとか。